9日午前の日経平均株価は反発した。前日比276円44銭高の2万6743円52銭で終えた。
前日8日の米国株式相場は上昇、ダウ平均は104.09ドル高の3万0173.88ドル、ナスダックは62.83ポイント高の12582.77ポイントで取引を終了した。米当局がファイザー開発の新型コロナワクチンの有効性に良好な見解を示したことや、共和党幹部が追加経済対策に関し協議すると報じられたことなどが好感された。米国株高を受けた前場の東京株式市場は買いが優勢の展開となった。
また、10月の機械受注の伸びが市場予想を上回ったのも追い風となり、景気敏感株を中心に幅広い銘柄が買われた。日経平均の上げ幅は一時300円を超えた。
日米欧の先進国では一足早く、英国で米ファイザーと独ビオンテックが開発した新型コロナワクチンの接種が始まった。米国では週内にも米食品医薬品局(FDA)がワクチンを承認する見通し。経済活動の正常化が進むとの期待が高まり、日本株にも買いが先行した。
内閣府が発表した10月の機械受注統計で、民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の受注額は前月比17.1%増と、市場予想(2.5%増)を上回った。自動車関連などで大きな伸びがみられた。国内景気が順調に回復しているとの見方も相場を支えた。素材などの景気敏感株が買われた。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆89億円、売買高は5億990万株だった。JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も反発した。東証1部の値上がり銘柄数は1331で約6割。値下がりは725銘柄、変わらずは118銘柄だった。
業種別株価指数(全33業種)では非鉄金属、パルプ・紙、空運業の上昇が目立った。下落は証券・商品先物取引業、電気・ガス業、石油・石炭製品。
個別銘柄では、ファナック、オークマなど機械関連が買われた。レーザーテクやアドテスト、SUMCOなど半導体関連も上昇、Sルネサスも堅調。トヨタ、日産自、GSユアサ、三井金、住友鉱、王子HDが買われた。任天堂、ソフトバンクG、ファーストリテ、ANAも高い。は小幅高。半面、日本電産が値を下げ、東エレク、スズキ、ENEOSは弱含み。エムスリーが軟調。野村、大和証G、中部電もさえない。
東証2部株価指数は前日比14.15ポイント安の6675.41ポイントと反落した。
出来高1億4275万株。値上がり銘柄数は169、値下がり銘柄数は208となった。
個別では、バリオセキュア、梅の花が年初来安値を更新。加地テック、ストリーム、恵和、Abalance、明治機械が売られた。
一方、ジャパンエンジンコーポレーション、天昇電気工業、鈴与シンワートがストップ高。日本製罐、中国工業、黒田精工、マックスバリュ西日本、大日本コンサルタントなど6銘柄は年初来高値を更新。那須電機鉄工、アマテイ、ツインバード工業、アウンコンサルティング、カネミツが買われた。
