反落 利益確定売り優勢

 
 
10日午前の日経平均株価は反落し、前日比88円97銭安の2万6728円97銭で終えた。高値警戒感の強まりを背景に利益確定売りが出たほか、米追加経済対策の先行き不透明感も投資家心理を下向かせた。日経平均は前日に約29年8カ月ぶりの高値を付けており、利益確定を目的とした売りが朝方から優勢だった。下げ幅は一時170円を超えた。
 
前日の米国株市場で主要株指数が総じて安く、ナスダック総合指数の下げがきつかったこともあり、半導体関連など輸出ハイテク株中心に売りに押された。
主力株では日経平均寄与度の高いソフトバンクGが大きく上昇し日経平均を支える形になっている。明日にメジャーSQ算出を控え、全体は先物絡みで不安定な動き。
 
一方、電気自動車(EV)関連及びその周辺の水素関連や電池関連株などに買われる銘柄が多く、個人投資家の物色意欲は旺盛だった。
日経平均への寄与度が大きいソフトバンクグループ(SBG)がMBO(経営陣が参加する買収)の思惑などを材料に急伸。1銘柄で日経平均を100円超押し上げ、相場を支えた。日経平均は5日移動平均(前引け時点、2万6662円)を下回る水準で押し目買いも入った。
 
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も反落した。
 
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆1593億円、売買高は5億4130万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1167と、全体の5割超を占めた。値上がりは878、変わらずは131銘柄だった。
 


業種別株価指数(33業種)は精密機器、金属製品、サービス業などが下落し、上昇は情報・通信業、空運業、鉱業など。
 
個別銘柄では、アドテストやスクリンなど半導体関連株に大幅安が目立った。SUMCO、東エレク、レーザーテックやソニー、日本電産、村田製も軟調。サイバーやエムスリー、楽天も売られた。太陽誘電やデンソー、アルプスアル、オムロン、オリンパスなども下落。HOYA、ファーストリテ、リクルートHDや花王もさえない。
 
半面、ソフトバンクGが連日の大幅高で、任天堂、トヨタ、日立、ANA、OLC、三井金、東邦鉛が買われ、川重や日立造が上昇。国際帝石が締まり、伊藤忠は強含んだ。コニカミノルやキヤノンも高い。
 
 
東証2部株価指数は前日比23.77ポイント安の6658.75ポイントと続落した。
出来高1億3578万株。値上がり銘柄数は176、値下がり銘柄数は210となった。
 
個別では、バリオセキュア、梅の花、フレンドリーが年初来安値を更新。省電舎ホールディングス、恵和、黒田精工、クシム、ジャパンエンジンコーポレーションが売られた。
 
一方、天昇電気工業、リードがストップ高。タカトリは一時ストップ高と値を飛ばした。サトウ食品、STIフードホールディングス、高砂鐵工、中国工業、ヒラノテクシードなど8銘柄は年初来高値を更新。那須電機鉄工、ベース、理経、鈴与シンワート、ミロクが買われた。
 

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