NYダウ反発114ドル高 ワクチン普及期待

23日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比114ドル32セント高の3万0129ドル83セントで終えた。
米労働省がこの日発表した最新週の新規失業保険申請件数は前週比8万9000件減の80万3000件。改善は3週間ぶりで、市場予想(ロイター通信調べ)の88万5000件を下回った。この指標を受け、米雇用情勢に対する警戒感が和らぎ、ダウは堅調な展開を維持した。
 
また、米ファイザーが23日、来年7月までに1億回分の新型コロナウイルスワクチンを追加供給する契約を米政府と結んだと発表。ワクチン普及への期待が高まり、景気敏感株を中心に買いが優勢となった。
ファイザーの米政府へのワクチン供給は、既存の契約と合わせて2億回分となる。米政府は米モデルナから調達する2億回分を含めて、4億回分を確保した。ワクチン普及による景気の持ち直し期待を誘った。英国と欧州連合(EU)の貿易交渉などの合意が近いと伝わり、欧州株相場が総じて上昇したのも投資家心理を上向けた。
 
一方、米商務省がこの日発表した11月の個人消費支出(PCE)は前月比0.4%減と、7カ月ぶりにマイナスを記録。新型コロナウイルスの変異種をめぐる懸念が昨日の相場押し下げ要因となったが、この日はさほど材料視されなかったもようだ。
 
ダウ平均は午後に一時270ドル超上げる場面もあったが、取引終了にかけて上げ幅を縮めた。トランプ米大統領が防衛関連法案に拒否権を発動したと午後に伝わった。同氏は米議会が可決した追加経済対策に対し、22日に修正を求める発言をしている。政策を巡る不透明感が強まったとして、持ち高調整や利益確定目的の売りを促した。
 
米債券市場で景気の回復観測などから長期金利が上昇し、利ざや改善の見方からJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなど金融株が買われた。アナリストが目標株価を引き上げた映画・娯楽のウォルト・ディズニーが買われ、原油高を背景にシェブロンなど石油株も上げた。前日に売られた空運株など旅行・レジャー関連株も総じて上昇した。
 
セクター別では銀行、エネルギーが上昇した一方で、商業専門サービスが下落した。
 
ナスダック総合株価指数は反落し、前日比36.804ポイント(0.3%)安の1万2771.114で終えた。ソフトウエアのマイクロソフトや動画配信のネットフリックスなど、巣ごもり消費や在宅勤務の恩恵を受けやすい銘柄が利益確定売りに押された。
 
ただ、ナスダック指数は前日に付けた過去最高値を上回って推移する場面が多かった。前日に下げた交流サイトのフェイスブックや電気自動車のテスラなどが買い直された。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
30,129.83+114.32
S&P500種
3,690.01+2.75
ナスダック
12,771.114-36.804
NY金(ドル/トロイオンス)
1,878.10+7.80
NY原油(ドル/バレル)
48.06+1.04
円・ドル
103.52 – 103.54+0.17
 


【シカゴ日本株先物概況】

23日のシカゴ日経平均先物は続伸した。
3月物は前日比100円高の2万6655円で引けた。
新型コロナウイルスのワクチン普及への期待を背景に買われた。引けにかけては米追加経済対策の不透明感から伸び悩んだ。トランプ大統領が議会承認の追加経済対策法案で拒否権を発動する可能性に言及したため上値が抑制。引けにかけて、大統領が国防法案に拒否権を発動すると上げ幅を縮小した。
 
この日の3月物高値は2万6700円、安値は2万6355円。
 

シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
26655 ( +175 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
26670 ( +190 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6495.75(+42.59)
23日のFTSE100種総合株価指数は、難航してきた英国と欧州連合(EU)の貿易交渉が妥結するという期待を背景に続伸した。前日の終値に比べ42.59ポイント高の6495.75で引けた。構成銘柄の6割超が上昇した。
クリスマス休暇に入った投資家も多いことから、売買高は低水準だった。
景気に敏感な金融株と石油株の上昇が株価指数を押し上げた。
 
個別では、銀行のロイズ・バンキング・グループが7%高と大きく上げた。航空のインターナショナル・エアラインズ・グループも6%超上げた。医薬品株は売られ、アストラゼネカの下げが目立った。料理宅配のジャスト・イートも下落した。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13587.23(+169.12)
23日のドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前日と比べて169.12ポイント高の1万3587.23だった。
英国と欧州連合(EU)の将来関係を巡る交渉で、合意の可能性が伝わり朝方から買いが優勢だった。午後には、EUが合意に向け暫定的な準備に入っているとの報道で一段高となった。クリスマス休暇に入った投資家も多く、売買高は低水準だった。
 
個別銘柄では、自動車のダイムラーは3%超上げた。トラック部門の上場に向け準備を進めているとの報道が買い材料となった。航空エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズの上昇も目立った。一方、下落したのは料理宅配大手のデリバリーヒーローと医薬・農薬大手のバイエルの2銘柄で、ドイツポストが横ばいだった。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5527.59(+60.73)

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