29日のNYダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落し、前日比68ドル30セント安の3万0335ドル67セントで終えた。
トランプ米大統領は27日に新型コロナウイルスの感染拡大に対応する追加経済対策に署名した。野党民主党は、トランプ氏が主張する世帯向け現金給付の増額に同調。多数派を占める下院は28日、増額する法案を可決した。ダウ平均は、追加経済対策の成立を好感して上昇した前日の流れを引き継ぎ、続伸して取引が始まった。
ただ、上院では、給付増額に対する与党共和党の反発が強く、法案可決は不透明な情勢だ。市場では、現金給付増額への期待が後退。高値への警戒感から利益確定売りにも押され、徐々にプラス幅を縮め、マイナスに転じた。
ダウ平均は一時130ドル近く下げた。ただ、運用成績を一時的に改善させるための年末に伴う「お化粧買い」が入り、引けにかけて下げ渋る場面があった。
ホームセンターのホーム・デポや映画・娯楽のウォルト・ディズニーなどが下落。前日に上げが目立ったスマートフォンのアップルも利益確定売りで下げた。一方、アクティビストのサード・ポイントが事業売却などを提案した半導体のインテルが大幅高となった。
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落し、前日比49.202ポイント(0.4%)安の1万2850.221で終えた。アップルのほか、検索サイトのアルファベットやソフトウエアのマイクソフトも反落した。
NYダウ工業株30種(ドル)
30,335.67-68.30
S&P500種
3,727.04-8.32
ナスダック
12,850.221-49.202
NY金(ドル/トロイオンス)
1,880.40-2.80
NY原油(ドル/バレル)
48.08+0.46
円・ドル
103.52 – 103.60-0.16
【シカゴ日本株先物概況】
29日のシカゴ日経平均先物は続伸した。
3月物は前日比580円高の2万7480円で引け、29日の大取終値を90円下回った。
27日に成立した米国の追加経済対策を受け、買い先行で始まった。その後は米下院が27日に可決した家計への現金給付を増額する案の実現期待の後退で米株が反落し、上値が抑えられた。年末を前に市場参加者は限られ、シカゴ日経平均先物は動意薄の展開だった。
3月物高値は2万7680円、安値は2万6870円。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
27480 ( -90 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
27515 ( -55 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6602.65(+100.54)
29日のFTSE100種総合株価指数は4日続伸した。前営業日24日の終値に比べ100.54ポイント高の6602.65と、終値ベースで3月上旬以来、約10カ月ぶりの高値水準で引けた。構成銘柄の8割超が上昇した。
クリスマスの4連休明けの相場となった。米国の追加経済対策成立で各国の株高が進んだことに加え、クリスマス直前の英国と欧州連合(EU)の貿易合意もあり、株価指数は終日プラス圏で推移した。大型株が買われ、株価指数を押し上げた。午前に一時2.7%高まで上昇する場面があったが、利益確定の売りも出て上げ幅をやや縮めた。
個別銘柄では、時価総額の大きい医薬品株やたばこ株、食品・日用品のユニリーバ、酒類のディアジオが上昇銘柄の上位を占めた。いずれも海外での収益比率が高く、外国為替市場でのポンド安が業績の追い風になるとの見方から買いが入った。銅相場高で主力の鉱業株は全銘柄が上げた。ヘルス・安全装置関連のハルマの上げも目立った。
半面、銀行株は全面安となった。英長期金利の低下で利ざや縮小を意識した売りが出た。新型コロナウイルスの変異種の感染拡大で国内景気が停滞するとの懸念も材料視された。住宅建設株や石油のBPが値下がりした。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13761.38(-28.91)
29日のドイツ株式指数(DAX)は4営業日ぶりに反落した。終値は前日と比べて28.91ポイント(0.2%)安の1万3761.38だった。
前日に過去最高値を更新したことから、利益確定の売りが出やすかった。
ドイツ銀行が約3%安となり、下落銘柄の首位だった。新型コロナウイルス感染拡大による巣ごもり需要で上昇していた料理宅配大手のデリバリーヒーローも安かった。自動車株も売られた。航空エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズとIT(情報技術)のSAPは上げた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5611.79(+23.41)
フランスの株価指数CAC40は上昇した。
