29日のNYダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反発し、前日比139ドル16セント高の2万6659ドル11セントで終えた。
新型コロナウイルスの感染が再拡大し、厳しいコロナ対策が景気に及ぼす影響をめぐる懸念が根強い中、今週の軟調な相場展開を引き継ぎ、取引序盤は売りが先行した。
売り一巡後は売られ過ぎ感も広がる中、安値拾いも入って値を戻し、底堅い展開を維持した。引け後に決算発表を控えるスマートフォンのアップルなど主力ハイテク株の一角が業績期待から買われ、相場をけん引した。市場予想を上回る米経済指標の発表が相次ぎ、景気敏感株の買いも誘った。
この日発表された極めて大幅な改善となった7~9月期の米国内総生産(GDP)統計、労働市場の緩やかな改善傾向を示した米週間新規失業保険申請件数も市場の心理に好影響を与えたもようだ。
ダウ平均は前日までの4日続落で1840ドルあまり下落し、約3カ月ぶりの安値を付けていた。このため、押し目買いが入りやすかった面もあった。
主力ハイテク株が軒並み大幅に上げた。アップルが4%高、SNS(交流サイト)のフェイスブックが5%高となった。グーグルの親会社アルファベットとネット通販のアマゾン・ドット・コムにも決算を先取りする買いが入った。主力ハイテク株の上昇を受け、投資家心理が強気に傾いた。
ナスダック総合株価指数は反発し、前日比180.72ポイント高の1万1185.59で終えた。市場予想を上回る7~9月期決算を28日夕に発表した半導体製造装置のKLAが上昇。ほかにエヌビディアやクアルコムなど半導体株の上げが目立った。
NYダウ工業株30種(ドル)
26,659.11+139.16
S&P500種
3,310.11+39.08
ナスダック
11,185.593+180.725
NY金(ドル/トロイオンス)
1,868.00-11.20
NY原油(ドル/バレル)
36.11-1.28
円・ドル
104.60 – 104.62+0.32
【シカゴ日本株先物概況】
29日のシカゴ日経平均先物は反発した。12月物は前日比240円高の2万3300円で引け、29日の大取終値を20円下回った。主要ハイテク決算への期待も高く堅調に推移した。米株が反発し、日経平均先物に買いが波及した。
29日に7~9月期の米実質国内総生産(GDP)など市場予想を上回る経済指標の発表が相次ぎ、投資家心理が上向いた。
この日の12月物高値は2万3385円、安値は2万3060円。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
23300 ( -20 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
23315 ( -5 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 5581.75(-1.05)
29日のFTSE100種総合株価指数は小幅ながら4日続落した。前日の終値に比べ1.05ポイント安の5581.75と、前日終値からわずかに下げた。構成銘柄の半数以上は下落した。
この日のFT指数は反発して寄り付いた。しかし、上昇の勢いを欠いて方向感が出ず、午後に入ると5530近辺まで売られる場面もあった。
新型コロナウイルスの感染拡大の懸念が根強く、不安定な値動きだった。
個別銘柄では、航空機エンジンのロールス・ロイスが大幅に下落し相場の重荷になった。同社はアナリストが2021年の目標株価を引き下げたことが売り材料視され14%超下げた。スタンダードチャータード銀行も第3四半期決算が振るわず下げが目立った。医薬品株も売られた。
一方、ロイヤル・ダッチ・シェルは高かった。29日に発表した2020年7~9月期の決算は純利益が前年同期比で減益となったが、黒字は確保し四半期配当金の引き上げも好感され上昇した。銀行のロイズ・バンキング・グループと通信のBTグループも決算発表を材料に買いが優勢だった。ブックメーカー(賭け屋)のフラッター・エンターテインメントは大幅高だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11598.07(+37.56)
29日のドイツ株式指数(DAX)は4日ぶりに反発した。終値は前日と比べて37.56ポイント高の1万1598.07だった。
前日に急落した反動から、個別銘柄に目先の自律反発を見込んだ買い戻しが入った。不動産サービスのドイチェ・ボーエンやドイツテレコムの上げが目立った。料理宅配大手のデリバリーヒーローには買いが続いた。一方、航空エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズが安かった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4569.67(-1.45)
