9日午前の日経平均株価は続伸し、前週末比473円99銭高の2万4799円22銭で前場を終えた。
米大統領選で民主党のバイデン候補が当選を確実にし、米政治の先行き不透明感が後退。投資家が積極的に運用リスクを取る「リスクオン」の動きが強まった。日経平均のJPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は続伸した。
朝方から買い優勢で始まり、その後も主力株が買われ、日経平均は次第高の展開で水準を切り上げ、上げ幅は一時500円を超え、取引時間中としては1991年11月以来の高値水準をつけた。2万4800円近辺では目先筋の利益確定売り圧力も強いが、それを吸収し高値圏での推移を続けた。
米国と中国との緊張関係が改善に向かうとの思惑も出た。中国・上海総合指数が上昇し、日本株の支援材料となった。
外国為替市場では1ドル=103円台前半の円高に振れているが、自動車や電機などの輸出セクターはそれを気にするムードもない。米大統領選はバイデン氏勝利がほぼ決まったことで不透明感が払拭されたほか、前週末に発表された10月の米雇用統計の結果も良好でリスクオンの流れを加速させる格好となった。
6日発表の10月の米雇用統計(速報値)も雇用者数は市場の予想以上に増えた。「投資家は大統領選の勝敗がつかず政治的な空白が長くなり、景気回復が遅れることを懸念していたが、バイデン氏の勝利が確実となったことで安心感が広がった」と指摘した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆2188億円、売買高は5億7379万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1177と、全体の約5割を占めた。値下がりは904、変わらずは87だった。
業種別株価指数(全33業種)では、精密機器、海運業、輸送用機器の上昇が目立った。下落は空運業、鉱業、医薬品など。
個別では、ファーストリテ、ソフトバンクグループ(SBG)、ソニー、東エレク、NTT、エムスリー、バンナムHD、郵船が買われた。ホンダ、トヨタ、オリンパス、HOYAが値を上げた。
一方、アルツハイマー型認知症治療薬について米食品医薬品局(FDA)が有効性に対して否定的な見解を公表し、エーザイが急落した。国際帝石は軟調、参天薬、スクエニHD、任天堂、JAL、ANA、JR西日本も売られた。
東証2部株価指数は前週末比83.16ポイント高の6263.14ポイントと4日続伸した。
出来高9693万株。値上がり銘柄数は240、値下がり銘柄数は157となった。
個別では、省電舎ホールディングス、STIフードホールディングス、Abalance、TONE、野村マイクロ・サイエンスなど6銘柄が年初来高値を更新。ヒラノテクシード、いい生活、電響社、フジックス、JESCOホールディングスが買われた。
一方、新内外綿、ロンシール工業、ニッキが年初来安値を更新。ヒラキ、扶桑電通、北日本紡績、鈴与シンワート、大興電子通信が売られた。
