11日午前の日経平均株価は大幅続伸し、前日比432円93銭(1.74%)高の2万5338円52銭と、きょうの高値で前場を終えた。取引時間中としては1991年6月以来の高水準となる。
新型コロナウイルスのワクチン期待から前の日に急騰したNYダウ工業株30種平均が10日も上昇し、日本株に対しても買い安心感が広がった。ファストリやダイキンといった値がさ株に加え、米長期金利の上昇などを支えに保険や銀行の上げも目立った。
景気敏感株中心に買いが優勢だったが、前場後半から買いの勢いが増し、日経平均は430円あまり上昇して前場の高値で着地した。
日米で株高が進むなか「一段高を見込んだヘッジファンドなどの買いが強まっている」といい、株価指数先物が主導して日経平均は上げ幅を拡大した。
一方、前日に急伸したJALやANAHDは朝高後、下げに転じた。市場では「投資家が運用リスクを取りやすくなるなか、循環物色が活発になっている」という声が出ていた。米ハイテク株安に押されていたソフトバンクグループ(SBG)は下値で買いが入り、下げ幅を縮小する場面もあった。
巣ごもり消費やリモートワーク関連など、新型コロナ感染拡大による生活様式の変化を見込んで買われていた業種が下落する状況も続いており、「基本構造は前日と変わらない」という。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は続伸した。前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆6320億円、売買高は8億1051万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1478と、全体の約68%を占めた。値下がりは605、変わらずは92銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は鉱業、保険業、不動産業、ガラス・土石製品などが上昇。その他製品、空運業は下落した。
個別では、トヨタが7連騰し、東エレク、ソニー、アドテスト、オリンパス、テルモが上昇した。ファナックが買われ、日立、日本電産は大幅高。住友鉱、国際帝石、郵船は値を上げた。太平洋セメ、三菱UFJ、オリックス、東京海上、三井不、ファーストリテ、JR東日本も高かった。
半面、ソフトバンクGが軟調で、JALは大幅安。ネクソンは下げがきつい。任天堂が続落し、リクルート、信越化、キヤノンが下落した。
東証2部株価指数は前日比65.68ポイント高の6311.93ポイントと反発した。
出来高1億0952万株。値上がり銘柄数は266、値下がり銘柄数は116となった。
個別では、ツインバード工業がストップ高。セキド、デュアルタップ、エスティック、田岡化学工業、日本精蝋が買われた。
一方、青山財産ネットワークス、萬世電機、オーナンバ、省電舎ホールディングス、小池酸素工業が売られた。
