【寄り付き概況】
12日の日経平均株価は続伸して始まった。始値は前日比89円75銭高の2万5439円35銭。世界的な金融緩和策が続くなか、新型コロナウイルスのワクチン普及による経済正常化への期待感もあり、日本株にも買いが入っている。
前日まで7営業日続伸と上値追い基調の続く日経平均だが、きょうも出足はリスクを取る動きが優勢。前日のNYダウは目先利食い圧力が表面化し小反落となったものの、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は3日ぶり急反発に転じた。これを受けて東京市場も安心感が広がり、バリュー株への資金シフトで売られたグロース株の一角などに押し目買いを誘導する展開となりやすい。
過剰流動性を背景に目先はグロース株とバリュー(割安)株の循環物色が続きそうだ」との声も出ている。
欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は11日の講演で、12月の次回理事会での追加の金融緩和に向けて前向きな姿勢を示した。各国で大規模な金融緩和策が継続するとの見方が株式の買いを促している。
取引開始前に内閣府が発表した9月の機械受注統計では、民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)は前月比4.4%減となった。市場予想の同0.9%減を下回ったが、相場への影響は今のところ限定的のようだ。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は小動き。業種別では情報・通信業、精密機器、電気機器など高い。
個別では、きょう家庭用ゲーム機「プレイステーション5(PS5)」を発売するソニーが高い。バンナムHDなどゲーム関連株の上げが目立つ。信越化、東エレク、ニトリHD、ファナック、ファーストリテ、ニチレイ、資生堂も高い。
半面、JAL、JR西日本はこのところの大幅な上げの反動もあり安い。トヨタ、三井物、菱地所が軟調。丸紅、オリックス、日本製鉄も下落している。
