109円高と続伸、ワクチン期待で先物主導

12日午前の日経平均株価は続伸した。前日比109円53銭高の2万5459円13銭で終えた。
前日の米国株市場でナスダック総合指数が大きく切り返したことなどを受けリスク選好ムードが続いた。ソフトバンクグループ(SBG)や村田製などの関連銘柄が上昇した。
新型コロナウイルスの感染拡大に対する警戒感は漂うものの、引き続きワクチン開発期待などを背景に値がさ株を中心とする買いが集まり、日経平均を押し上げた。
 
特別清算指数(SQ)算出前の先物やオプションの最終売買日で、先物主導の色彩も濃かった。海外の短期筋などの売りポジションの買い戻しで日経平均が上げた面もあったようだ。先物主導でファストリ、ファナックなどの値がさ株は大きく上げた。日経平均の上げ幅は一時200円を超え、取引時間中として29年ぶりの高水準となった。
 
ただ、東証1部全体では値下がり銘柄が6割を占め、現物株の売買代金も昨日の前引け時点までと比べ少なかった。「投資家の高値警戒感が感じられる。SQ算出の前後で目先は上昇一服となりそうだ」との懸念も聞かれ、前引けにかけて日経平均は次第に上げ幅を縮小した。
日経平均や東証株価指数(TOPIX)は前日まで7営業日連続で上昇し、過熱感が強まっていた。このため、前場中盤から当面の利益を確保する売り注文が増加、日経平均は上げ幅を縮小し、TOPIXは小幅安となった。市場では「売りが厚みを増しており、午後は日経平均も下落に転じる可能性がある」という。
 
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆2115億円、売買高は6億1015万株だった。JPX日経インデックス400とTOPIXは反落した。東証1部の値上がり銘柄数は722。値下がりは1383銘柄、変わらずは70銘柄だった。
 


 
業種別株価指数(全33業種)は情報・通信業、その他製品、電気機器が上昇し、輸送用機器、銀行業、空運業は下落した。
 
個別では、ソフトバンクGが買いを集め、任天堂が大幅に上昇し、第一三共、エーザイも堅調。ソニー、東エレク、キーエンス、ファーストリテも値上がりした。KDDI、NTT、エムスリー、信越化、バンナムHDが買われた。
 
半面、トヨタ、ホンダが下落した。電通グループ、三越伊勢丹などの百貨店株が売られた。三菱地所などの不動産株、三菱UFJ、三井住友も値下がりした。日本製鉄、JR東海、JR西日本、JAL、OLCも下落した。 
 
東証2部株価指数は前日比25.22ポイント高の6326.19ポイントと反発した。
出来高8902万株。値上がり銘柄数は177、値下がり銘柄数は212となった。
 
個別では、アートスパークホールディングス、浜井産業が年初来高値を更新。STIフードホールディングス、川本産業、リスクモンスター、ベース、ユニバンスは値上がり率上位に買われた。
 
一方、ミロク、ラピーヌが年初来安値を更新。デュアルタップ、ヴィスコ・テクノロジーズ、富士ソフトサービスビューロ、那須電機鉄工、SIGは値下がり率上位に売られた。

株ちゃんofficial xはこちら!
目次