22日のNYダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発し、前日比140ドル48セント(0.5%)高の2万7288ドル18セントで終えた。
欧州でのコロナ感染の再拡大が相場の重荷だったが、業績がコロナ禍の影響を受けにくいハイテク株が買われ相場を押し上げた。
ダウ平均は前日、欧州での新型コロナウイルス感染拡大をめぐる懸念が広がる中、一時下げ幅が900ドルを超えた。この日も新型コロナなどへの警戒感は根強くマイナス圏で推移する場面もあったものの、安値拾いが入りやすい状況となった。このところ売られやすかったハイテク株への買いが強まったほか、一般消費財、通信、不動産株への買いも目立った。
22日にクラウド事業の拡充を発表したソフトウエアのマイクロソフトが2%上昇。アナリストが投資判断を引き上げたネット通販のアマゾン・ドット・コムは6%近く上げた。市場では「主力ハイテク株は9月上旬の高値から15%前後下げており、値ごろ感から買いが入った」との指摘があった。
欧州ではコロナ感染が再び広がり、英国はレストランやバーの営業規制を強化した。ただ、ハイテク株はコロナ禍が業績の逆風になりにくい。在宅勤務が広がればむしろ業績の追い風になるとの見方から、ビデオ会議システムのズーム・ビデオ・コミュニケーションズは3週間ぶりに上場来高値を更新した。
ダウ平均は前日終値を下回る場面もあった。欧州に続き、米国でも冬場にかけてコロナ感染が再び広がれば景気を冷やしかねないとの懸念が景気敏感株の重荷となった。大手銀行のマネーロンダリングへの関与疑惑が尾を引き、金融株が総じて売られたのも響いた。
米不動産業者協会(NAR)がこの日発表した8月の中古住宅販売件数(季節調整済み)は、2006年12月以来13年8カ月ぶりに600万戸を突破したが、相場への影響は限定的だった。
ナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反発し、前日比184.84ポイント(1.7%)高の1万0963.64で終えた。
NYダウ工業株30種(ドル)
27,288.18+140.48
S&P500種
3,315.57+34.51
ナスダック
10,963.637+184.839
NY金(ドル/トロイオンス)
1,907.60-3.00
NY原油(ドル/バレル)
39.75-0.05
円・ドル
104.94 – 104.95+0.37
【シカゴ日本株先物概況】
22日のシカゴ日経平均先物は小幅反発した。
12月物は前日比75円高の2万2885円で引け、18日の大取終値を335円下回った。
欧州で広がっている新型コロナウイルス第2波への懸念が広がったものの、パウエルFRB議長やムニューシン財務長官が下院の証言で依然追加経済救済策が必要であると主張すると、ハイテク株主導で米株が反発し日経平均先物に買いが波及した。
円安も支援材料だった。この日の12月物高値は2万2930円、安値は2万2575円。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
22885 ( -335 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
22940 ( -280 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 5829.46(+25.17)
22日のFTSE100種総合株価指数は5営業日ぶりに反発した。前日の終値に比べ25.17ポイント高の5829.46で引けた。前日の大幅安の後の反動で買い戻しが優勢となった。指数構成銘柄全体のうち、上昇は半分に満たなかった。エネルギー関連株がけん引した。
英国での新型コロナウイルスの感染者数の急増で、ジョンソン首相は22日に飲食店の深夜営業禁止などの規制の再強化策を発表した。発表前には景気への悪影響が懸念され、株価指数は下げる場面もあった。原油相場の上昇で石油株が買われ、たばこ株とともに株価指数の上昇に大きく貢献した。
主な個別銘柄では、DIY関連用品小売りのキングフィッシャーは10%近く急伸した。新型コロナの影響で在宅勤務者が増えたことがDIYやガーデニングの需要を後押しし、同社の2~7月期は大幅増益となった。たばこのブリティッシュ・アメリカン・タバコとインペリアル・ブランズは、ともにアナリストによる買い推奨などが好感され大幅高だった。
前日まで急落続きだった航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が4.9%高と反発となった。
半面、医薬品株が売られるなか、複数のアナリストが投資評価を引き下げたヒクマ・ファーマシューティカルズは4%超下げた。アドミラル・グループなど保険株の下落も目立った。英金融監督当局が保険各社に対し、既存客向けの保険料が新規客向けと比べて高めに設定されている状態を改めるよう提案したことが材料となったようだ。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12594.39(+51.95)
22日のドイツ株式指数(DAX)は4営業日ぶりに反発した。終値は前日と比べて51.95ポイント高の1万2594.39だった。前日の大幅安の反動で買い戻しが広がった。
個別銘柄では料理宅配大手のデリバリーヒーローが大幅高となり、ドイツ取引所の上昇も目立った。保険のアリアンツは下げた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4772.84(-19.20)
欧州の主要株式相場はまちまちだった。フランスの株価指数CAC40の終値が前日に比べて0.4%と上昇した。
