NYダウ続伸、追加経済救済策への期待再燃

25日のNYダウ工業株30種平均は続伸した。前日比358ドル52セント高の2万7173ドル96セントで終えた。
取引序盤は米追加経済対策の先行きをめぐる不透明感を理由に軟調に推移。だが、値ごろ感が出たハイテク株を中心に買いが徐々に膨らみ、午後に一段高となった。ダウ平均の上げ幅は一時400ドルを超えた。ハイテク株のほか、不動産、ヘルスケア、公益事業株などが特に堅調な値動きを示した。
 
スマートフォンのアップルは4%高、ソフトウエアのマイクロソフトと顧客情報管理(CRM)のセールスフォース・ドットコムは2%高となった。週半ばにナスダック総合株価指数は約2カ月ぶりの安値を付け、押し目とみた買いを誘った。
 
景気敏感株とされる航空機のボーイングは6%超上昇し、ダウ平均を押し上げた。アナリストによる投資判断の引き上げを好感し、クルーズ船のノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングスやカーニバルが大幅に上昇した。
 
朝方は売りが先行し、ダウ平均は下げ幅を180ドルに広げる場面もあった。欧州や米国の一部地域での新型コロナウイルスの感染再拡大が警戒されている。朝方発表の8月の米耐久財受注額は前月比0.4%増と市場予想(1.8%増)に届かなかった。米景気回復の鈍化を懸念した売りも誘った。
 
複数の米メディアによると、米下院民主党は24日に規模が2兆4000億ドル程度と従来の3兆ドルより縮小した追加経済対策の策定を開始した。ただ、共和党が容認するとされる規模は上回っており、依然として早期成立は困難との見方も相場の重荷となった。
 
セクター別ではテクノロジー・ハード・機器が上昇、食・生活必需品小売が下落した。
 
ナスダック総合株価指数も続伸し、前日比241.30ポイント高の1万0913.56で終えた。主力ハイテク株が総じて上昇したほか、アナリストが目標株価を引き上げた画像処理半導体のエヌビディアが4%高となるなど半導体関連株も買われた。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
27,173.96+358.52
S&P500種
3,298.46+51.87
ナスダック
10,913.562+241.296
NY金(ドル/トロイオンス)
1,866.30-10.60
NY原油(ドル/バレル)
40.04-0.2725日 16:59
円・ドル
105.57 – 105.59+0.27

 


【シカゴ日本株先物概況】

25日のシカゴ日経平均先物は反発。
12月物は前日比140円高の2万3165円で取引を終えた。大阪取引所の終値を135円上回った。
NYダウ平均は、追加経済救済策を巡る交渉の再開で合意したとの報道を受け、早期成立への期待が再燃し上昇に転じた。引けにかけてはハイテクの上昇も後押しし、上げ幅を拡大。
米国株がハイテク銘柄を中心に上昇したのを受け、日経平均先物も堅調となった。

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 25日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前日の終値に比べ19.89ポイント高の5842.67で引けた。
新型コロナウイルスの新規感染者数が英国で増加し、欧州連合(EU)との貿易交渉の先行き懸念も重なり、株価指数は上値が重かった。ただ、米国株が底堅く推移する中、最終的にはプラス圏に切り返した。
ギャンブル関連株と医薬品株の上昇が株価指数を押し上げた。指数構成銘柄全体の5割超が上昇した。
 
個別銘柄では、ギャンブル事業のGVCホールディングスは午後に急速に買い圧力が強まり、16%急伸した。ブックメーカー(賭け屋)のフラッター・エンターテイメントも7%近く上げた。同業の英ウィリアム・ヒルに対し、米投資会社などが買収提案したことが買い材料となったようだ。セキュリティー対策ソフト大手のアバストも大幅高だった。
 
半面、リオ・ティントなど鉱業株と金融大手スタンダード・チャータードが2.7%安で下落率トップとなったほか、同業のバークレイズ(1.4%安)、HSBCホールディングス(1.2%安)など銀行株が総じて軟調だった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
25日のドイツ株式指数(DAX)は続落した。終値は前日と比べて137.37ポイント(1.1%)安の1万2469.20と、終値ベースで7月末以来、約2カ月ぶりの安値だった。
新型コロナウイルスの感染再拡大で経済の回復が遅れるとの懸念が強まり、売りが広がった。
個別では、自動車のBMWとドイツ銀行の下落が目立った。素材メーカーのコベストロは買われた。

■フランス・パリ株価指数
CAC40(仏) 4,729.66   -32.96

 

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