1日のNYダウ工業株30種平均は小幅に続伸した。前日比35ドル20セント高の2万7816ドル90セントで終えた。米国の追加経済対策の合意期待で朝方に260ドル近く上昇したが、協議を見極めたい雰囲気が次第に強まり、午後は下げに転じる場面もあった。業績が景気の影響を受けにくい主力ハイテク株には買いが続き、相場を支えた。
ダウ平均は、新型コロナウイルス感染拡大に対応する追加経済対策をめぐる与野党協議進展への期待から、上昇して取引が始まった。ただ、午後に入り、ムニューシン米財務長官と民主党のペロシ下院議長の電話協議がまとまらず、「主要論点で距離がある」と伝わると、マイナス圏に沈む場面もあった。
ダウ平均の構成銘柄では化学のダウや建機のキャタピラー、金融のゴールドマン・サックスなどが下落した。
さえない米経済指標も相場の上値を抑えた。米サプライマネジメント協会(ISM)が1日発表した9月の米製造業景況感指数は55.4と前月から0.6ポイント低下した。低下は5カ月ぶりで、市場予想(56.3)も下回った。9月の米雇用統計の発表を2日に控え、景気回復ペースを見極めたいとの見方が広がった。
一方、業績が経済対策の内容に左右されにくい主力ハイテク株への資金流入が続いた。ソフトウエアのマイクロソフトやスマートフォンのアップル、顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムが上昇した。
航空機のボーイングの上昇もダウ平均を支えた。運航停止中の主力小型機「737MAX」を前日にテスト飛行した米連邦航空局(FAA)首脳が、結果に好意的な評価を示したと伝わった。
ナスダック総合株価指数は続伸し、前日比159.00ポイント高の1万1326.51と、9月3日以来の高値で終えた。主力ハイテク株が軒並み上昇。アナリストが目標株価を引き上げたネット通販のアマゾン・ドット・コムは2%高、動画配信のネットフリックスは6%近く上げた。
NYダウ工業株30種(ドル)
27,816.90+35.20
S&P500種
3,380.80+17.80
ナスダック
11,326.507+159.000
NY金(ドル/トロイオンス)
1,916.30+20.80
NY原油(ドル/バレル)
38.59-0.13
円・ドル
105.54 – 105.56+0.01
【シカゴ日本株先物概況】
1日のシカゴ日経平均先物は反発した。
12月物は前日比70円高の2万3335円で引け、1日の大取終値を25円上回った。
NYダウは、追加経済救済策の合意期待に加え週次新規失業保険申請件数が予想以上に減少し3月来の低水準となったため大きく上昇して寄り付いた。しかし、9月ISM製造業景況指数が予想を下回ったほかムニューシン財務長官と民主党のペロシ下院議長の交渉継続も合意の発表がなく失望感から一時下落に転じる局面もあったが強いハイテクが下支えとなり総じて堅調に推移した。
米追加経済対策を巡る与野党の早期合意への期待が広がり米株とともに買われた。その後は米株が伸び悩み、日経平均先物の上値を抑えた。円安も支援材料だった。
この日の12月物高値は2万3365円、安値は2万3215円。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
23335 ( +25 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
23380 ( +70 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 5879.45(+13.35)
1日のFTSE100種総合株価指数は3日ぶりに反発した。前日の終値に比べ13.35ポイント(0.2%)高の5879.45で引けた。構成銘柄の約7割が上昇した。
FT100種平均株価指数は13.35ポイント高の5879.45で終了。指数構成銘柄の約7割が値上がりした。石油株は原油価格の急落を受けて売られた。
この日のFT指数は高寄りし、序盤に5925.77まで上昇。午後に入ると軟調となり、終盤には5849.82まで値を下げる場面もあった。
時価総額の大きい日用品のレキットベンキーザーの上昇と銀行株の上げが株価指数を押し上げた。原油相場が下げ幅を広げるに伴いBPなど石油株の売りも強まり、指数の上値を抑えた。
個別銘柄では、資産運用のスタンダード・ライフ・アバディーンは、自社株買い戻しプログラムを延長すると発表し大幅高となった。投資会社のメルローズ・インダストリーズの上昇も目立った。
一方、航空機エンジンのロールス・ロイスは急落し10%安だった。一時は13%安を付けた。新型コロナウイルスの感染による悪影響を補うため、総額50億ポンドの資金調達の計画を発表したことがきっかけだった。ビジネスサポートのDCCも6%超下げた。アナリストによる投資評価の引き下げたことが響いた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12730.77(-29.96)
1日のドイツ株式指数(DAX)は3日続落した。終値は前日と比べて29.96ポイント安の1万2730.77だった。小動きで推移した後、午後に下げ幅を広げる場面もあった。その後やや下げ渋った。
個別では、医薬・農薬大手のバイエルは急落し、13%安だった。来年の利益が縮小するとの見通しと、農業部門で減損費用を計上する可能性があると発表したことが材料視された。自動車のフォルクスワーゲンも安くなった。
一方、半導体のインフィニオンテクノロジーズは7%超上げた。仏同業のSTマイクロエレクトロニクスが業績見通しを引き上げたことが好感された。タイヤのコンチネンタルも大幅高だった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4824.04(+20.60)
