大幅高、トランプ大統領の病状改善

5日午前の日経平均株価は反発し、前週末比310円62銭高の2万3340円52銭で前場を終えた。
前週末に先物を絡め終盤売り込まれた日経平均だったが、きょうは広範囲に買い戻される展開となった。新型コロナウイルスに感染したトランプ米大統領が5日にも退院するとの観測が出ており、マーケットの不安心理が後退した。米国の大規模な経済対策への期待感も背景に米株価指数先物が買われたことも好感されている。東証1部の全銘柄の9割弱が上昇した。
 
入院中のトランプ氏は4日(日本時間5日朝)、病院外に出て支持者に姿を見せた。週末に病状を巡る様々な観測が浮上したものの、まずは健康回復によって米政権の混乱は限られるとして、安心感が広がっている。NYダウ工業株30種平均の先物相場が日本時間5日午前に堅調に推移したことも、リスク許容度の改善を後押ししている。
 
失業保険など景気刺激策を巡る米政府と議会の協議が進むとの期待からバリュー株が買われた米市場の流れを、週明けの東京株式市場も引き継いだ。鉱業や鉄鋼、海運や陸運が上昇した。日経平均は前週末に一時2万3000円を下回る水準まで下落したが、下げは行きすぎとの見方もあって買い安心感につながっている。
 
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も反発した。
 
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で9935億円、売買高は5億2431万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1927、値下がりは205、変わらずは41銘柄だった。

 


 
業種別株価指数(全33業種)は情報・通信業、電気機器、輸送用機器、銀行業などが上昇し、その他製品だけが下落した。
 
きょう東証1部に上場した営業コンサルティングのDmミックスは9時8分、売り出し価格(公開価格、2700円)を100円(3.7%)下回る2600円で初値を付けた。午前の終値は2605円。
 
個別では、ソフトバンクGが上伸した。中国華為技術(ファーウェイ)向けの半導体製品の取引再開を米政府に申請したと伝わったソニーが買われた。日立、トヨタ、ホンダ、スズキも高く、キーエンス、ファナックは堅調だった。三菱UFJ、三井住友の買いが厚く、みずほFG、NTTが上げ、ソフトバンクは強含み。JR東日本、JR東海は大幅上昇し、JAL、ダイキン、リクルートも上げた。
 
一方、中国の半導体受託生産大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)が米国の輸出規制の対象になったことなどを背景に、半導体関連の東エレクやスクリンが下げた。NTTドコモは小安く、KDDIも売られている。任天堂は売り物に押された。
 
 
東証2部株価指数は前週末比89.88ポイント高の6247.55ポイントと反発。
出来高1億4303万株。値上がり銘柄数は294、値下がり銘柄数は97となった。
 
個別ではバイク王&カンパニーがストップ高。SIG、川金ホールディングス、西部電機、富士ソフトサービスビューロ、ジーエルサイエンスなど8銘柄は年初来高値を更新。日本パワーファスニング、アップルインターナショナル、レオクラン、STIフードホールディングス、サイオスが買われた。
 
一方、理研コランダムが年初来安値を更新。東邦金属、鈴与シンワート、川口化学工業、アサガミ、互応化学工業が売られた。
 

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