25日午前の日経平均株価は続伸した。午前終値は前日比392円96銭高の2万3378円47銭だった。
新型コロナウイルス感染症の治療薬やワクチン開発への期待が高まった米国市場の流れを引き継ぎ、買いが先行した。日経平均は一時2万3384円まで上昇し、コロナ禍で急落前である2月21日の2万3386円に迫った。
経済活動正常化への期待感から景気敏感株が買われた。東京市場も同様の動きがみられ、空運株や銀行株の上昇が目立った。
ただ、この2万3300円台は、8月中旬に付けた直近のザラバ高値の水準に当たる。「2万3400円に近づくと過熱感が強まる」などと警戒する声も多く、売りを消化する中で上昇の勢いはやや鈍った。
市場からは「ワクチンや治療法に関する話が出てくると短期筋が先物買いであおり、買い戻しを誘発させる。米与野党の合意の遅れで宙ぶらりんの米追加経済対策が決まれば、米株主導で上昇し、日本株もついてくるだろう」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も続伸した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆358億円、売買高は6億1488万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1706と、全体の8割弱を占めた。値下がりは396、変わらずは69銘柄だった。
業種別株価指数(全33業種)では、空運業、繊維製品、保険業の上昇が目立った。下落は精密機器、その他製品の2業種だった。
個別では、米デルタ航空が国際線で運行再開する見通しを示したことを手掛かりに、ANAHDとJALが大きく上げた。三菱UFJ、みずほFG、東京海上が値を上げた。ソニー、東エレク、アルプスアルが高く、いすゞや日野自も上昇した。
半面、任天堂、レーザーテック、富士通がさえない。サイバーとニチレイ、エムスリーが下げた。オリンパス、中外薬も軟調。神戸物産、ニトリHDが売られた。
東証2部株価指数は前日比34.82ポイント高の6531.31ポイントと反発した。
出来高7253万株。値上がり銘柄数は264、値下がり銘柄数は131となった。
個別では、カワセコンピュータサプライが一時ストップ高と値を飛ばした。アヲハタ、日本食品化工、日本製麻、アートスパークホールディングス、中国工業など6銘柄は年初来高値を更新。グローバルダイニング、省電舎ホールディングス、ダイトーケミックス、フュートレック、京進が買われた。
一方、ASTI、西部電機、ツインバード工業、オーベクス、いい生活が売られた。
