「上げれば上に下がれば下に」

 
「上げれば上に下がれば下に」
 
火曜のNY株式市場でNASDAQとS&P500は4日続伸で過去最高値を更新。
一方NYダウは60ドル安と反落。
構成銘柄から除外される石油のエクソンモービルなどが売られたのが重荷。
NYダウは一時200ドル超の下落場面もあった。
買い材料はコロナウイルス治療への期待や米中通商協議の進展。
ライトハイザーUSTR代表とムニューシン米財務長官は中国の劉鶴副首相と電話会談。
米中通商合意の「第1段階」を履行する決意を再確認した。
英製薬大手アストラゼネカはコロナ予防や治療を目的とした抗体カクテルの臨床試験を開始。
これらを好感したとの解釈。
「株式市場は経済が1年後に改善すると期待している。
半年から1年先の状況を織り込んでいる」という声が聞こえる。
月末の株式分割によって寄与度の下落するアップルは0.8%安。
CB消費者信頼感指数は84.8と前月の91.7から2カ月連続で低下。
市場予想は93.0。
2014年5月以来6年超ぶりの低水準。
7月の新築一戸建て住宅販売戸数は年率換算で前月比13.9%増の90万1000戸。
2006年12月以来約13年半ぶりの高水準。
住宅販売は中西部で58.8%増。
南部は13.0%、西部は7.8%、それぞれ増加。
一方、北東部は23.1%減少。
安全資産から資金が流出し国債利回りは上昇。
「通商を巡る環境がリスクオンとなったことで米国債から資金が流出した」との解釈だ。
10年国債利回りは0.688%。
2年国債利回りは0.153%。
多くの通貨に対してドルが下落した中でドル円は上昇。
安全資産としての円が売られた格好で106円台前半で推移。
スケジュールが大好きな為替市場の課題は週末の「ジャクソンホール」。
パウエルFRB議長の「金融政策の枠組み見直しについて」の講演を待っている格好だ。
平均インフレ率目標の導入を示唆するかがポイントとされる。
しかしこのコロナ禍で中央銀行が市場にネガな姿勢は示さないだろうというのが常識。
そもそもメインテーマは「10年先に向けて舵をとる」だ。
米国に接近中の熱帯低気圧「ローラ」がハリケーンに発達しメキシコ湾岸のオフショア生産の大半は停止。
WTI原油先物はバレル43.35ドルと終値で3月5日以来の高値となった。
SKEW指数は146.5と下落。
恐怖と欲望指数は72→74。
75から上は完全にリスクオンで欲望満載の世界に突入する。
 
NYダウの構成銘柄入れ替え。

【新規採用】
 
情報サービス大手セールスフォース・ドットコム、
製薬大手アムジェン、
機械大手ハネウェル・インターナショナル
 
【除外銘柄】
 
石油大手エクソンモービル(過去100年NYダウ採用銘柄)
製薬大手ファイザー、
防衛大手レイセオン・テクノロジーズ
 
スマートフォンのアップルが31日付で1株を4株にする株式分割を実施。
ダウ平均は株価の単純平均で算出されるため、アップルの株価水準が4分の1に下がればダウ平均の寄与度も4分の1に下がる。
 
ちなみに現時点のダウ採用銘柄

アップル  コンピュータ  2015年3月19日  NASDAQ 
アメリカン・エキスプレス  金融  1982年8月30日  NYSE 
ボーイング  航空機  1987年3月12日  NYSE 
キャタピラー  重機  1991年5月6日  NYSE 
シスコシステムズ  情報・通信業  2009年6月8日  NASDAQ 
シェブロン  石油  2008年2月19日  NYSE 
ウォルト・ディズニー・カンパニー  娯楽・メディア  1991年5月6日  NYSE 
ダウ  化学  2019年4月2日  NYSE 
ゴールドマン・サックス  金融  2013年9月20日  NYSE 
ホームデポ  小売業  1999年11月1日  NYSE 
アイ・ビー・エム  コンピューター  1979年6月29日  NYSE 
インテル  半導体  1999年11月1日  NASDAQ 
ジョンソン・エンド・ジョンソン  医薬品  1997年3月17日  NYSE 
JPモルガン・チェース  金融  1991年5月6日  NYSE 
ザ コカ・コーラ カンパニー  飲料  1987年3月12日  NYSE 
マクドナルド  外食  1985年10月30日  NYSE 
スリーエム  化学  1976年8月9日  NYSE 
メルク  医薬品  1979年6月29日  NYSE 
マイクロソフト  ソフトウェア  1999年11月1日  NASDAQ 
ナイキ  その他製品  2013年9月20日  NYSE 
ファイザー  医薬品  2004年4月8日  NYSE 
プロクター・アンド・ギャンブル (P&G)  日用品  1932年5月26日  NYSE 
レイセオン・テクノロジーズ  航空宇宙・防衛  1939年3月14日  NYSE 
トラベラーズ  保険  2009年6月8日  NYSE 
ユナイテッド・ヘルス  保険  2012年9月21日  NYSE 
ビザ  その他金融  2013年9月20日  NYSE 
ベライゾン・コミュニケーションズ  通信  2004年4月8日  NYSE 
ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス  小売業  2018年6月26日  NASDAQ 
ウォルマート・ストアーズ  小売業  1997年3月17日  NYSE 
エクソンモービル  石油  1928年10月1日  NYSE
 
火曜の日経平均は寄り付き257円高。
終値311円高の23296円。
4日ぶりに23000円台を回復。
SQ値23350円を8日ぶりに上回る場面もあった。
一時400円以上上昇した場面もありザラバ高値は23425円。
昨日高値23012円と火曜安値23225円にマド。
ただ2月21日23378円と25日22950円のマドはヒゲで埋めた。
東証1部の売買代金は2兆1243億円と7日ぶりに2兆円超。
昨年8月14日ー19日(12日間)には届かなかった。
マザーズ指数は反落。
値上がり1643銘柄(前日999銘柄)。
値下がり467銘柄(前日1070銘柄)。
新高値83銘柄(前日85銘柄)と3ケタに届かず。
新安値1銘柄(前日2銘柄)。
騰落レシオは101.11(前日94.25)。
NTレシオは14.33倍(前日14.30倍)。
サイコロは8勝4敗で66.57%。
横ばって来た25日線(22735円)からは△2.57%。
11日連続で上回っておりサポート。
右肩上がりの75日線は22136円。
200日線(22012円)からは△5.83%。
右肩上がりに転じた5日線(23038円)から△1.12%。
6日ぶりに上回った。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲19.494%(前日▲18.791%)。
買い方▲7.049%(前日▲7.285%)。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲25.687%(前日▲27.700%)。
買い方▲12.253%(前日▲11.264%)。
空売り比率は37.3%(2日連続40%割れ:前日37.4%)。
空売り規制なしの比率は6.9%。
8月21日時点の信用売り残は115億円減の9388億円。
2週ぶりの減少。
同信用買い残は1044億円増の2兆2293億円。
2週ぶりに増加。
2兆円台は15週連続。
ボトムは3月27日週の1兆7545億円。
ピークは1月31日週の2兆4637億円。
金額ベースでの信用倍率は2.37倍(前週は2.24倍)。
売り残が1兆円台に乗せ、買い残が2兆円を割れると信用倍率は2倍割れとなるのだが・・・。
4月3日時点が1.62倍だったがそこから日経平均は5518円上昇した。
日経HVは18.8、日経VIは21.27。
日経平均採用銘柄の予想PERは22.14倍(前日21.83倍)。
前期基準では18.30倍。
EPSは1052円(前日1052円)。
7月1日時点は1239円、7月31日時点は1212円だった。
暫定PERは22.13倍。
計算上のEPSは1052円。
225のPBRは1.11倍。
BPSは21087円(前日21027円)。
225先物採用銘柄の益回りは4.52%(前日4.58%)。
配当利回りは1.96%。
東証1部全銘柄だと予想PERは24.06倍。
前期基準では19.55倍。
東証1部全銘柄のPBRは1.22倍。
ドル建て日経平均は219.76(前日217.17、12月13日が219.64)。
一時221ポイントと1990年7月19日以来の高値を更新した場面もあった。
東証1部単純平均株価は17円高の2152円。
(2019年末2327円、2018年末2077円、2017年末2946円)。
売買単価は1756円(前日1983円)。
出遅れ銘柄中心だったと読めようか。
東証1部の時価総額は620兆円(前日613兆円)。
時価総額の壁が立ちはだかる。
シカゴ225先物終値は大証日中比30円安の23300円。
高値23425円、安値23130円。
大証夜間取引終値は日中比60円安の23270円。
気学では「押し目買いの日。但し急伸後は利入れ良し」。
木曜は「人気に逆行し前後場仕成を変える日」。
金曜は「寄り安は買いなれど、上放れ高きは売り狙え」。
ボリンジャーは拡散。
プラス1σが23102円。
プラス2σが23469円。
プラス3σが23856円。
一目均衡の雲の上限が22436円。
16日連続で雲の上。
勝手雲の上限は22710円で下限は22513円。
12日連続で雲の上。
白い勝手雲は今日から厚くなる。
RSIが66.84。
RCIが78.01。
8月SQ値23350円は8日ぶりに「幻」脱却。
今年15勝16敗と負け越し中の水曜日。
 
《今日のポイント8月26日》
 
(1)NY株式市場はダウ安、NASとS&Pは続伸。
   ダウ輸送株指数は21ポイント安の11127ポイントと5日ぶりに反落。
   SOX指数は1.07%高と続伸。
   3市場の売買高は83億株(20日平均は94.8億株)と低下。
   恐怖と欲望指数は72→74。
   75から上は完全にリスクオンで欲望満載の世界に突入する。
 
(2)日経平均は4日ぶりに23000円台を回復。
   SQ値23350円を8日ぶりに上回る場面もあった。
   月曜高値23012円と火曜安値23225円にマド。
   ただ2月21日23378円と25日22950円のマドはヒゲで埋めた。
   東証1部の売買代金は2兆1243億円と7日ぶりに2兆円超。
   昨年8月14日ー19日(12日間)の記録には届かなかった。
   マザーズ指数は反落。
 
(3)新高値83銘柄(前日85銘柄)と3ケタに届かず。
   新安値1銘柄(前日2銘柄)。
   騰落レシオは101.11(前日94.25)。
   サイコロは8勝4敗で66.57%。
 
(4)ドル建て日経平均は219.76と今年の高値(前日217.17、12月13日が219.64)。
   一時221ポイントと1990年7月19日以来の高値を更新した場面もあった。
 
(5)横ばって来た25日線(22735円)からは△2.57%。
   11日連続で上回っておりサポート。
   200日線(22012円)からは△5.83%。
   右肩上がりに転じた5日線(23038円)から△1.12%。
   6日ぶりに上回った。
 
(6)空売り比率は37.3%(2日連続40%割れ:前日37.4%)。
   8月21日時点の信用売り残は115億円減の9388億円。
   2週ぶりの減少。
   同信用買い残は1044億円増の2兆2293億円。
   2週ぶりに増加。
   2兆円台は15週連続。
   金額ベースでの信用倍率は2.37倍(前週は2.24倍)。
 
(7)ボリンジャーは拡散。
   プラス1σが23102円。
   プラス2σが23469円。
   プラス3σが23856円。
   一目均衡の雲の上限が22436円。
   16日連続で雲の上。
   勝手雲の上限は22710円で下限は22513円。
   12日連続で雲の上。
   白い勝手雲は今日から厚くなる。
 
(8)東証1部の時価総額は620兆円(前日613兆円)。
   時価総額の壁が立ちはだかる。
   シカゴ225先物終値は大証日中比30円安の23300円。
   高値23425円、安値23130円。
   大証夜間取引終値は日中比60円安の23270円。
   今年15勝16敗と負け越し中の水曜日。
 
 
今年の曜日別勝敗(8月25日まで)

月曜15勝15敗
火曜18勝14敗
水曜15勝16敗
木曜13勝19敗
金曜15勝16敗。
 
 
火曜のNYダウは60ドル安の28248ドルと4日ぶりに反落。
NASDAQは86ポイント高の11466ポイントと4日続伸。
S&P500は12ポイント高の3443ポイントと4日続伸。
ダウ輸送株指数は21ポイント安の11127ポイントと5日ぶりに反落。
SOX指数は1.07%高と続伸。
VIX指数は22.05。
3市場の売買高は83億株(20日平均は94.8億株)。
225先物CME円建ては大証比日中比30円安の23300円。
ドル建ては大証日中比25円安の23305円。
ドル円は106.36円。
10年国債利回りは0.688%。
2年国債利回りは0.153%。
 
米民主党のヒラリー・クリントン氏のバイデン大統領候補への提言。
「11月3日の大統領選の夜に敗北を認めないように」。
今年の大統領選では新型コロナウイルス流行に伴い郵便投票の拡大が見込まれている。
結果判明に時間がかかる可能性があるとの指摘。
選挙当日にトランプ大統領が僅差で優勢な結果となった場合、
「バイデン氏はいかなる状況であれ、敗北を認めるべきではない。
一歩も譲ることなく共和党側と同様に焦点を絞り、執拗な姿勢で臨めば、バイデン氏が勝利すると確信している」。
必要なのは「執拗な姿勢」そして「諦めない姿勢」ということなのだろうか。
 
一方でカドロー米国家経済会議(NEC)委員長のコメント。
「米政権が中国による第1段階通商合意の履行状況に満足している。
中国は米農産品の購入を拡大しており、米国の雇用の伸びを支える」。
電話とはいえ5月初旬以来の協議を好感した。
あるいは硬軟両用でのリップサービスなのだろう。
対中強硬派のナバロ大統領補佐官は「通商合意は健在。
中国は約束通り、トウモロコシや大豆、豚肉、牛肉を購入している」。
今は農家の票を取りに行くスケジュールなのかも知れない。
 
「大型のIPOがあるとその時市場は立ち止まる」というのが経験則。
今回は10月にキオクシアのIPOだという。
時価総額2兆円、売り出し価格では2.5兆円程度との予想。
結構思い。
もともとは東芝の半導体メモリー部門。
「2兆円なんて関係ない」と言いたいところだが・・・。
目先的には「28日の首相記者会見が気にかかる」とでも持ち出すのだろうか。
 
株価が上昇してくると市場関係者の日経平均の見通しはそれにつれて上昇する。
年内23000円とか24000円が高値と言っていたが今朝は27000円説も出てきた。
下値メドはおおむね21000円。
こちらは1万円台説が消えた。
「上げれば上に下がれば下に」。
いつも思うのだが、専門家だって見通しの根拠は希薄なのではなかろうか。
理路整然と説明するのは難しいだろう。
「気分の問題」と言ってしまえば見通しも相当楽だろう。
もっとも「価格と時期」を聞く方も聞く方だが・・・。
 
 
◇━━━ カタリスト━━━◇
 
動物高度医療(6039)・・・動兆
 
日本動物高度医療センターに注目する。
同社は犬猫向け高度医療を行う動物病院を東京、川崎、名古屋で運営。
ペットの高齢化や保険普及を追い風に回復基調。
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(兜町カタリスト櫻井)

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