26日午前の日経平均株価は小幅に反落した。午前の終値は前日比39円60銭安の2万3257円17銭だった。
NYダウの下落に加え、日経平均株価は前日300円強上昇し新型コロナウイルスの感染拡大で2月に急落する前の水準まで値を戻したこともあり、上値では利益確定売りが出て頭を抑えられている。日本時間26日の米ダウ平均先物が下げたことも重荷だった。
日経平均は一時上げに転じるなど底堅さも目立った。円相場で円安・ドル高が進み、輸出関連株の支えとなった。新型コロナのワクチン開発期待も根強く、節目の2万3000円台は維持して推移している。
もっとも、総じて小安い水準で相場の動意は乏しかった。安倍晋三首相が28日に記者会見を開く調整に入ったと伝わったほか、27~28日には米カンザスシティー連銀主催の国際経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)を控え、商いは盛り上がりに欠けた。
為替相場が1ドル=106円40銭近辺と円安気味に振れており、「株価の下値を支える要因になっている」。日経平均は取引開始直後に、前日比50円強上昇する場面があった。しかし、「積極的な買いを入れる新規材料が見当たらない」状況では売り注文を消化しながら上値を試すには力不足で、じりじりと値を消す展開だった。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は反落した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で8349億円、売買高は4億2367万株と、いずれも前日の同時点より少ない。
東証1部の値下がり銘柄数は1385と、全体の約6割を占めた。値上がりは649、変わらずは129銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は、空運業、不動産業、鉄鋼などが下落し、上昇は、その他製品、鉱業、情報・通信業など。
個別銘柄では、前日に31年ぶりの公募増資を発表したアサヒが安い。取引終了後に決算発表を控えるリクルートも軟調だった。JAL、ANA、三井不、日本製鉄、トヨタ、キーエンス、レーザーテックは下落した。三菱UFJ、三井住友、野村も弱含んだ。武田やイオンも売られている。
半面、出資する中国アリババ集団傘下の金融会社アント・グループが上場申請したソフトバンクグループも高い。グループの半導体メモリー会社が10月にも上場すると伝わった東芝が買われた。任天堂が値を上げ、ファーストリテ、東エレク、国際帝石、ソニー、エムスリー、テラスカイが上昇した。
東証2部株価指数は前日比90.82ポイント高の6608.74ポイントと続伸した。
出来高6807万株。値上がり銘柄数は236、値下がり銘柄数は144となった。
個別では、ワシントンホテルがストップ高。ジャパンエンジンコーポレーションは一時ストップ高と値を飛ばした。魚喜、日本食品化工、GMOペパボ、日本化学産業、電業社機械製作所など7銘柄は年初来高値を更新。グローバルダイニング、キョウデン、ダイトーケミックス、ウイルテック、日本パワーファスニングが買われた。
一方、那須電機鉄工が年初来安値を更新。クシム、浜井産業、あじかん、パス、アクロディアが売られた。
