28日午前の日経平均株価は反発した。午前終値は前日比83円94銭高の2万3292円80銭だった。
前日の米国市場では、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演後に長期金利が上昇し、金融株が利ざや改善期待から軒並み上昇した。これを受けて東京株式市場でも銀行や保険といった業種が値を上げ、銀行株の影響を受けやすいTOPIXは終始プラス圏で推移した。
為替市場で1ドル=106円80銭前後へ円安が進行したことも買い要因となった。
国内には手掛かり材料はなく、朝方の売買が一巡した後、日経平均は小幅なレンジ内で方向感なく推移した。大引け後に安倍晋三首相の記者会見が予定されているため、「後場は様子見姿勢となり、出来高や売買代金の伸び方は鈍りそうだ」という。
「FRBの長期緩和示唆でバリュー(割安)株が買い戻されている。上昇先行銘柄はポジション整理で売られているが、全体的に底上げの流れが見え始めてきた」との声が聞かれた。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆170億円、売買高は6億1783万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1282と、全体の6割近くを占めた。値下がりは784銘柄、変わらずは87銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は、保険業、不動産業、空運業、銀行業などが上昇した。下落は情報・通信業、その他製品など。
個別では、長期金利の上昇を受けて三菱UFJ、三井住友のメガバンク株、T&Dや東京海上、第一生命などの保険株が大きく値を上げた。三井不や菱地所などの不動産株も買われた。
リクルートHDが続伸し、JR東日本、JAL、トヨタ、日産自、三菱自、ホンダなど反発。キーエンス、ファナックが買われた。
半面、東エレク、ソニー、レーザーテックが軟調で、任天堂は続落した。ソフトバンクGが売られ、エムスリーの下げ幅が大きく、ファーストリテ、スクリンや東エレク、ZHDなども値を下げた。
東証2部株価指数は前日比52.02ポイント安の6465.88ポイントと続落した。
出来高5191万株。値上がり銘柄数は181、値下がり銘柄数は186となった。
個別では、さいか屋が年初来安値を更新。ジャパンエンジンコーポレーション、大和重工、東京コスモス電機、ウイルコホールディングス、魚喜が売られた。
一方、大和自動車交通が一時ストップ高と値を飛ばした。情報企画、ベース、中国工業は年初来高値を更新。キャピタル・アセット・プランニング、アサヒ衛陶、アドテック プラズマ テクノロジー、フルスピード、ODKソリューションズが買われた。
