波乱含みの展開か。

28日の日経平均株価は大幅に3日続落。終値は前日比326円安の2万2882円で、今月20日以来の安値となった。
NYダウ平均の上昇や円安進行を受けて後場中頃まで買いが優勢だったが、安倍首相の突然の辞任報道で一気に株価は急落してしまった。次期首相を市場は思い描く時間もなかったため、しばらくはリーダー不在の混沌とした時間をややネガティブに過ごすことになるだろう。
 
今週は、米国ではナスダックやS&P500の高値更新基調が続き、これに後押しされる格好で日経平均は2万3000円台を早々に回復。25日には300円を超える上昇で2万3400円台に乗せ、コロナ・ショックで急落する前の2月の水準まで戻す場面もあった。
ただ、中盤以降は米国株の堅調な動きに乗り切れず、上値が重くなった。全体的に手掛けづらさが強まる中で、直近IPO銘柄など動きの良いところに短期資金が集中した。
28日の前場までは概ね堅調といえる地合いが続いたが、同日の後場に安倍首相が辞任するとのニュースが飛び込み急落。この日の下げが響き、週間では下落となった。
日経平均は週間では37円の下落となり、週足では2週連続で陰線を形成した。
 
 
来週は、波乱含みの展開か。
突然の首相辞任により、目先は関連報道に神経質となる状況が続くと考える。
長期政権であったこと、経済を立て直した印象の強い首相であることなどから、海外投資家の日本株に対する評価が低下する可能性なども想定される。
一方、米国株は好調が続いており、為替も円高に一服感が出てくるなど、日本株を取り巻く環境は悪くない。政治を巡る不透明感が早期に払しょくされれば、変化に期待した買いが入る展開も十分期待できる。
強弱感が交錯する中、日々の値動きは大きくなりそうだが、方向感は定まりづらく、上げ下げありながらの一進一退が続くと予想する。
 
 
 
■上値・下値テクニカル・ポイント(28日現在)
 
23711.05  ボリンジャー:+3σ(13週)
23563.93  ボリンジャー:+2σ(25日)
23328.84  ボリンジャー:+2σ(13週)
23296.77  新値三本足陽転値
23171.17  ボリンジャー:+1σ(25日)
23097.49  6日移動平均線
23012.92  均衡表転換線(日足)
22946.64  ボリンジャー:+1σ(13週)
 
22882.65  ★日経平均株価28日終値
 
22863.54  ボリンジャー:+1σ(26週)
22778.41  25日移動平均線
22570.52  均衡表転換線(週足)
22570.52  均衡表基準線(日足)
22564.43  13週移動平均線
22528.92  均衡表雲上限(日足)
22385.66  ボリンジャー:-1σ(25日)
22364.93  均衡表雲上限(週足)
22296.92  75日移動平均線
22182.23  ボリンジャー:-1σ(13週)
22113.36  均衡表雲下限(週足)
22016.10  200日移動平均線
 
ローソク足は陰線を引き、5日線や25日線、一目均衡表の転換線がそれぞれ下降を開始。パラボリックは8月5日以来の売りサイン点灯となり、短期的な売り圧力の増大を窺わせた。しかし、一目均衡表では基準線が横ばいを継続。
RSI(14日ベース)は59.03%、東証1部の騰落レシオ(25日ベース)は91.98%といずれも中立圏に位置している。
週足のローソク足が極端に短い胴体から上下にヒゲを出す十字線を示現したこともあり、売り買い拮抗の状態で今週の取引を終えた。

 

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