NYダウ、3日続伸、超低金利政策の長期化

 
28日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸した。前日比161ドル60セント高の2万8653ドル87セントで終えた。2月21日以来、6カ月ぶりに昨年末終値(2万8538ドル44セント)を上回った。
 
米連邦準備理事会(FRB)は27日、インフレ率が目標値の2%上回ることを許容する新たな政策方針を発表。ゼロ金利政策を長期間維持する姿勢を示した。新方針が投資家の安心感につながり、買いが先行した。
米商務省が28日午前に発表した7月の個人消費支出は前月比1.9%増と市場予想を上回った。米ミシガン大学が発表した8月の消費者景況感指数の確報値も上方修正された。
米実質GDP(国内総生産)の約7割を占める個人消費の好調さを示す経済指標が、相場を押し上げた。
一定期間の物価上昇率が2%を上回ることを容認することになり、足元の低金利環境がより長期化する。低金利で利回りを確保しにくい債券に対して株式の相対的な魅力が高まるとの見方から買いが入った。
 
安倍晋三首相は28日、持病である潰瘍性大腸炎の再発を理由に、職務の継続が困難になったとして辞任する意向を表明した。米国の低金利政策の長期化に加え、日本の政治の先行き不透明感から外国為替市場ではドル安・円高が進んだ。ドル安が米国外の売上比率が相対的に高い輸出関連企業の収益を押し上げるとの見方が広がった。
 
米国の低金利環境の長期化でドル安基調が続くとの見方は根強い。ドル建てで取引される米国資産の割安感が強まることで、米国外の投資家による株式市場への資金流入を促すとの思惑にもつながりやすかった。
 
半導体のインテルや工業製品・事務用品のスリーエム(3M)、クレジットカードのビザが上昇した。スポーツ用品のナイキと飲料のコカ・コーラも買われた。売却が検討されている動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業を巡り、ソフトウエアのマイクロソフトと組んで買収に乗り出すと表明した小売りのウォルマートも上昇が目立った。
 
セクター別では消費者サービス、半導体・同製造装置が上昇、保険が下落した。

ナスダック総合株価指数は反発した。前日比70.30ポイント高の1万1695.63で終え、過去最高値を更新した。27日夕に発表した2020年5~7月期決算が市場予想を上回った人事ソフトのワークデイが急騰。ウエスタン・デジタルやエヌビディアなど半導体関連銘が買われたことも指数を押し上げた。
S&P500種株価指数は7日続伸。23.46ポイント高の3508.01と過去最高値を更新した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
28,653.87+161.60
S&P500種
3,508.01+23.46
ナスダック
11,695.633+70.296
NY金(ドル/トロイオンス)
1,974.90+42.30
NY原油(ドル/バレル)
42.93-0.11
円・ドル
105.34 – 105.36-0.66

 


【シカゴ日本株先物概況】

28日のシカゴ日経平均先物は安倍晋三首相の辞任表明を受けて日本の株式相場が下落した流れを受け継ぎ続落した。
9月物は前日比280円安の2万2935円で引けた。28日の大取終値は45円上回った。

ニューヨーク株式相場は、米連邦準備制度理事会(FRB)による超低金利政策の長期化観測などを背景に、3日続伸した。

シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22935 ( +45 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22945 ( +55 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
28日のFTSE100種総合株価指数は続落した。前日の終値に比べ36.42ポイント安の5963.57で引けた。株価指数は方向感に乏しい動き。英国でも新型コロナウイルスの感染再拡大に懸念が広がったことが心理的重しとなった。ただ、全体的には3連休を控えて持ち高調整とみられる売買が中心だった。
指数構成銘柄全体の6割超が下落した。
 
個別銘柄では、医薬品株の下落と、時価総額の大きい食品・日用品のユニリーバの売りが株価指数の押し下げ要因となった。アナリストが株価目標を引き下げた航空機エンジンのロールス・ロイスの下落が目立った。
半面、金銀生産大手のポリメタル・インターナショナルは4%超上げた。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
28日のドイツ株式指数(DAX)は続落した。終値は前日と比べて63.16ポイント安の1万3033.20だった。
 
個別では。ドイツポストと透析器大手のフレゼニウス・メディカル・ケアの下落が目立った。上昇したのは、ミュンヘン再保険を含む6銘柄だけだった。

■フランス・パリ株価指数
CAC40(仏)5,002.94 -13.03

 

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