NYダウ807ドル安、 相場過熱感から

3日のNYダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落し、前日比807ドル77セント安の2万8292ドル73セントで終えた。
ダウ平均の下げ幅は6月11日以来、3カ月ぶりの大きさ。
 
ダウ平均が前日、約6カ月半ぶりに2万9000ドル台を回復したことなどを受けて、この日は最近の上昇による利益を確定するための売りが広がった。また、翌日に8月の米雇用統計の発表、その後に3連休を控えており、「売りが出やすい状況」だった。
スマートフォンのアップルなどコロナ禍での株高をけん引してきたハイテク株に売りが膨らみ、下げ幅は1000ドル強に広がる場面があった。
 
大型ハイテク株は総崩れでアップルが8%安、ソフトウエアのマイクロソフトも6%あまり下げた。顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムも4%安で終えた。ハイテク株はコロナ禍でも「巣ごもり消費」や在宅勤務などの恩恵を受けるとの見方から買われてきたが、一転して利益確定売りが広がった。
 
ダウ平均は前日までに約半年ぶりの高値圏に上昇し、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は連日で過去最高値を更新していた。短期的な過熱感が高まっていたところ、4日発表の米雇用統計や3連休を前にして持ち高調整の動きが広がった。
 
ハイテク株に出遅れていた銀行株など景気敏感株の一角には買いが入る場面もあったが、相場全体の下げに押された。
 
この日発表された経済指標では、最新週の新規失業保険申請件数が88万1000件と前週から減少し、市場予想より少なかった。一方、サプライ管理協会(ISM)発表の8月の米サービス業購買担当者景況指数(PMI)は56.9と前月から低下し、市場予想を小幅に下回った。ただ、いずれも株価には大きく響かなかったもようだ。
 
セクター別ではテクノロジー・ハード・機器が大きく下落した。
 
ナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反落し、同598.34ポイント安の1万1458.10で終えた。下げ幅は3月16日以来の大きさ。GAFAM(グーグルの親会社アルファベット、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト)はいずれも大幅安。アップルと並んでナスダック上昇の象徴的な存在だった電気自動車のテスラも9%安に沈んだ。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
28,292.73-807.77
S&P500種
3,455.06-125.78
ナスダック
11,458.101-598.342
NY金(ドル/トロイオンス)
1,937.80-6.90
NY原油(ドル/バレル)
41.18-0.193日
円・ドル
106.16 – 106.17-0.05

 


【シカゴ日本株先物概況】

3日のシカゴ日経平均先物は反落した。9月物は前日比410円安の2万3095円で引け、3日の大取終値を375円下回った。
NYダウは、米国政府が新型コロナウイルスのワクチン投与にあたり各州・地域の政府に対して11月1日までに準備するよう通達したことが好感され、小動きで寄り付いた。しかし、8月ISM非製造業景況指数が予想を下回ったことが嫌気されたほか、これまで相場の牽引役であったハイテク株に幅広く売りが広がり、引けにかけては下げ幅を拡大した。
米株が大幅に反落し、日経平均先物に売りが波及した。円相場の反発も弱材料になった。この日の9月物安値は2万2975円、高値は2万3630円。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
23095 ( -375 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
23100 ( -370 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】
 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 5850.86(-90.09)
3日のFTSE100種総合株価指数は反落した。前日の終値に比べ90.09ポイント安の5850.86で引けた。構成銘柄の約8割が下落した。
引けにかけて売り圧力が強まり下落に転じた。午前は英イングランド銀行(中央銀行)のラムスデン副総裁の発言を受けて、景気刺激策を期待した買いが優勢だった。午後に米国で株価が急落し、ロンドン市場にも売りが波及した。引け際に5900を割り込んだ。
指数に占める割合の多い鉱業株が下げ幅を広げた。買いが先行していた金融株と医薬品株も売りに転じ、相場を押し下げた。
 
個別銘柄では、銅相場の下落を背景に鉱業株は全銘柄が下落した。なかでもBHPビリトンが安かった。銀行株と医薬品株は利益確定の売りも出て下落した。投資信託のスコティッシュ・モーゲージ・インベストメント・トラストとネット専業スーパーのオカド・グループが大幅安で引けた。
 
一方、投資会社のメルローズ・インダストリーズは日中を通して大幅高で推移し、12%高で取引を終えた。同社は3日早朝に2020年1~6月期決算を発表。大幅な減益だったが、市場では悪材料が出尽くしたとして先高観を意識した買いが入った。航空のインターナショナル・エアラインズ・グループも上げた。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13057.77(-185.66)
3日のドイツ株式指数(DAX)は反落に転じた。終値は前日と比べて185.66ポイント安の1万3057.77だった。
 
欧州中央銀行(ECB)理事会の複数のメンバーがユーロ高をけん制しているとの英紙報道を手掛かりに買いが優勢で推移していた。一時は2月に新型コロナウイルスの感染拡大で株価が急落する前の水準まで上昇したが、午後に米株安が欧州市場にも波及しDAXは急速に下げ足を強めた。
 
個別では、料理宅配大手のデリバリーヒーローが大幅安で引けた。米株市場でハイテク株が売られたことで半導体のインフィニオンテクノロジーズやIT(情報技術)のSAPが下落した。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5009.52(-22.22)

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