4日のNYダウ工業株30種平均は続落した。前日比159ドル42セント安の2万8133ドル31セントで終えた。主力ハイテク株への売りが続いた。3連休を控え、利益確定や持ち高調整の売りも出やすかった。下げ幅は一時600ドルを超えた。午後に入って下げ渋ったものの、終始不安定な値動きだった。金融など景気敏感株は堅調で、相場を下支えした。
朝方発表された注目の8月の雇用統計によると、失業率は8.4%と、前月(10.2%)から大幅に低下。市場予想の9.8%(ロイター通信調べ)も下回った。景気動向を反映する非農業部門の就業者数は137万1000人増と、予想(140万人増)とほぼ同じ水準だった。
発表を受けて長期金利が上昇し、金融のJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスが買われた。建機のキャタピラーや航空機のボーイングも高い。「ハイテク株を売って株価指標面で割安な景気敏感株に資金を移している」との見方もあった。
もっとも、米追加経済対策の議論の停滞が市場心理の重荷になっており、ハイテク株売りを補うほどの買いの勢いは見られなかった。ペンス米副大統領は米CNBCに出演し「トランプ政権と議会は追加経済対策を含めずに、政府機関の閉鎖を避けるための暫定予算案を通すことで合意した」と述べ、経済対策の成立が遠のいたと受け止められた。
買い一巡後は最近の株高をけん引してきたハイテク株への利食い売りがこの日も止まらず、売りが4日も続いた。
前日に8%安と急落したスマートフォンのアップルは反発したが、ソフトウエアのマイクロソフト、顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムは続落。検索サイトのアルファベット、ネット通販のアマゾン・ドット・コムの下げも目立った。
ナスダック総合株価指数は前日比144.97ポイント安の1万1313.13で終えた。一時は582.23ポイント(5.1%)安の1万0875.87まで下げ、2日に付けた過去最高値からの下落率は2日間で10%近くに達した。
NYダウ工業株30種(ドル)
28,133.31-159.42
S&P500種
3,426.96-28.10
ナスダック
11,313.135-144.966
NY金(ドル/トロイオンス)
1,934.30-3.50
NY原油(ドル/バレル)
39.51-1.86
円・ドル
106.22 – 106.24+0.01
【シカゴ日本株先物概況】
4日のシカゴ日経平均先物は小幅反発した。9月物は前日比80円高の2万3175円で引け、4日の大取終値を5円上回った。
注目された米8月雇用統計がおおむね強い結果となったものの、前日に続いて主力ハイテク株に利益確定売りが強まったことで一時大きく下落した。しかし、「経済活動再開」銘柄が総じて上昇したほか、ハイテク株にも押し目買いが強まった
日経平均先物は米株とともに買いが先行した。その後は今週末の3連休を控え、持ち高調整や利益確定の売りに押され伸び悩んだ。
この日の9月物高値は2万3315円、安値は2万2830円。
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
4日のFTSE100種総合株価指数は続落した。前日の終値に比べ51.78ポイント安の5799.08で引けた。
この日のFT指数は序盤でジリ高となった後、米失業率の改善を好感して一時5900を回復。しかし、米株価がマイナス圏に沈むと連れ安となり、5778.40間で売られた。
構成銘柄の約6割が下落した。不安定な展開が続いた後、米国株が下落に転じるとロンドン市場も下げ幅を広げた。
個別銘柄では、グラクソ・スミスクラインなど医薬品株の下落が株価指数を押し下げた。住宅建設株も売られた。英競争規制当局は国内の一部の大手住宅建設会社を消費者保護法に違反した恐れがあるとして調査入りした。それぞれ調査対象のバラット・ディベロップメンツは7%近く、パーシモンは5%超下げた。午前に買われたバークリー・グループも午後には下落に転じた。
一方、鉱業株は上昇した。スペインの銀行大手2行が合併を検討していると伝わり、銀行株も買われた。なかでもナットウエスト・グループの上昇が目立った。たばこのインペリアル・ブランズは、アナリストによる投資判断の引き上げが好感され買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
ドイツ株式指数(DAX)は続落した。終値は前日と比べて215.11ポイント(1.7%)安の1万2842.66だった。米国株が下落に転じると、欧州各国の株式相場もそろって下げた。
個別銘柄では、増資を決めた不動産のボノビアが6%超下落した。不動産サービスのドイチェ・ボーネンも下げが目立った。ドイツ銀行は買われた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40(仏)4,965.07 -44.45
