8日のNYダウ工業株30種平均は前週末比632ドル42セント安の2万7500ドル89セントと、約1カ月ぶりの安値で終え3日続落した。
前週に続いてハイテク大手が下落を主導。ここ最近の相場上昇をけん引してきたアップルやアマゾン・ドット・コム、フェイスブックなどの銘柄への利益確定売りがこの日も続いた。ダウ平均の構成銘柄ではアップルが7%安、ソフトウエアのマイクロソフトや顧客情報管理(CRM)のセールスフォース・ドットコムも5%安となった。
ハイテク株以外にも売りが広がった。中型機「787」の製造上の問題が報じられた航空機のボーイングも6%下げ、ダウ平均の重荷となった。原油安で世界景気の先行き不透明感が改めて意識され、石油のシェブロンが売られたほか、JPモルガン・チェースなど銀行株の下げも目立った。
米中関係悪化への懸念も地合いを悪化させた。トランプ米大統領は7日の記者会見で、米中の「デカップル(経済関係の分離)」に言及。米国を製造業分野の超大国とするため「分離や重い関税などを通じ、中国への依存を終わらせる」と強調した。
セクター別ではテクノロジー・ハード・機器が下落した一方、自動車・自動車部品が上昇。
ナスダック総合株価指数は同465.44ポイント安の1万0847.69で終えた。2日に付けた過去最高値からの下落率は「調整局面入り」とされる10%に達した。
GAFAM(グーグルの親会社アルファベット、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト)は軒並み大幅安。前週末にS&P500種株価指数への採用が見送られた電気自動車(EV)のテスラは2割下げた。
フィラデルフィア証券取引所の半導体株指数(SOX)も4%超下げた。米政権が中国半導体大手への禁輸措置を検討しているとの報道を受け、半導体製造装置株に売りが広がった。
NYダウ工業株30種(ドル)
27,500.89-632.42
S&P500種
3,331.84-95.12
ナスダック
10,847.690-465.445
NY金(ドル/トロイオンス)
1,943.20+8.90
NY原油(ドル/バレル)
36.84-2.938日 16:59
円・ドル
105.94 – 105.99-0.32
【シカゴ日本株先物概況】
8日のシカゴ日経平均先物は反落した。9月物は前週末比145円安の2万3030円で引け、8日の大取終値を220円下回った。
トランプ大統領が中国との経済関係を大幅に縮小すると対中強硬姿勢を表明したほか、原油安を受けて投資家心理が悪化し、寄り付きから大きく下落した。引き続き主要ハイテク株への売りも広がり、終始軟調推移となった。8日の市場で米株が続落し、日経平均先物に売りが波及した。円高も売り材料だった。
この日の9月物安値は2万2920円、高値は2万3310円。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
23030 ( -220 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
23030 ( -220 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 5930.30(-7.10)
8日のFTSE100種総合株価指数は小反落した。前日の終値に比べ7.10ポイント安の5930.30で引けた。
英国の欧州連合(EU)離脱をめぐり、英国とEUの貿易交渉に不透明感が強まる中、株価指数は上値の重い展開となった。原油相場の下落も石油株を圧迫した。
指数構成銘柄全体のうち、下落、上昇はそれぞれ約半数だった。
個別銘柄では、原油相場が急落するなか、石油のBPとロイヤル・ダッチ・シェルがともに大幅安となり株価指数を押し下げた。
アナリストが株価目標を引き下げたレジャー・外食のウィットブレッドも大幅安。衣料小売りと食品事業のアソシエーテッド・ブリティッシュ・フーズも4%近く下がった。
半面、スポーツ関連小売りのJDスポーツ・ファッションは10%近く上げた。2020年2~7月期は大幅な減益だったが、新型コロナウイルスを巡る規制緩和後に店舗を再開して以来、業績は良好だと示し買いが広がった。信用調査のエクスペリアンも買われた。20年7~9月期の売上高見通しを引き上げたことが好感された。20年5~10月期に配当を支払う方針を示した包装のDSスミスも大幅高となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12968.33(-131.95)
8日のドイツ株式指数(DAX)は反落した。終値は前日と比べて131.95ポイント(1.0%)安の1万2968.33だった。英国と欧州連合(EU)の将来の関係を決める交渉が難航するなか、先行き懸念から欧州各国の主要株式相場はそろって下げた。
個別では、工業用ガスのリンデとIT(情報技術)のSAPの下げが目立った。ハイデルベルクセメントは買われた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4973.52(-80.20)
