13日のNYダウ工業株30種平均は続伸した。前週末比10ドル50セント高の2万6085ドル80セントで終えた。
この日の株価は取引中盤まで力強く上昇した。米製薬大手ファイザーと独バイオ医薬品企業ビオンテックが、共同開発中の新型コロナワクチン候補2種類が米食品医薬品局(FDA)から優先審査の指定を受けたと発表。市場ではコロナワクチンの早期実用化への期待が高まり、ヘルスケア株などに買いが入った。
また、米食品・飲料大手ペプシコが朝方発表した2020年4~6月期決算は、飲料部門が低迷したものの、新型コロナ危機による外出規制の影響でスナック菓子の販売が好調だった。売上高や調整後の1株当たり利益が市場予想を上回ったことを受け、今後発表が本格化する米企業決算への楽観的な見方が広がった。ダウは一時563ドル高まで上昇したほか、ナスダックも一時207ポイント高まで買われ、取引時間中の史上最高値を3営業日連続で更新した。
ダウ平均は午後3時ごろから、みるみる上げ幅を縮めた。一時マイナス圏に沈む場面もあった。カリフォルニア州のニューサム知事が米東部時間午後3時から会見し、コロナ感染の再拡大を受けてレストランの店内飲食や劇場などの閉鎖を命じたことが嫌気されたとの見方があった。
売りが目立ったのは本来なら業績がコロナウイルスの影響を受けにくいとされるハイテク株だ。悪材料をきっかけに投資家心理が悪化し「PER(株価収益率)が割高な水準にあったハイテク株に短期的な利益確定売りが出た」との声があった。
セクター別では、銀行や医薬品・バイオが上昇した一方、ソフトウェアサービス、小売りが大きく下落した。
ナスダック総合株価指数は226.60ポイント安の1万0390.84で終えた。午前中には1万0824.78まで上昇する場面があったが、午後に入って午前の高値から4%下げた。
ソフトウエアのマイクロソフトとネット通販のアマゾン・ドット・コムは3%、動画配信のネットフリックスと半導体のエヌビディアは4%下げて終えた。
飲料・食品のペプシコが13日朝に発表した20年4~6月期決算は売上高と1株利益が市場予想を上回った。今週以降に発表が本格化する主要企業の4~6月期決算でも、想定ほど業績が悪化しないとの見方が広がった。
NYダウ工業株30種(ドル)
26,085.80+10.50
S&P500種3,155.22-29.82
ナスダック
10,390.843-226.600
NY金(ドル/トロイオンス)
1,814.10+12.20
NY原油(ドル/バレル)
39.62-0.48
円・ドル
107.28 – 107.29+0.30
【シカゴ日本株先物概況】
13日のシカゴ日経平均先物は小幅反落した。
9月物は前週末比60円安の2万2540円で引け、13日の大取終値を170円下回った。
新型コロナウイルスのワクチン開発への期待から買いが先行した。引けにかけて新型コロナウイルスの感染拡大を嫌気する売りに押された。カリフォルニア州知事は13日、レストランの店内飲食やバーなどの再閉鎖を決めた。
この日の9月物安値は2万2505円、高値は2万2850円。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22540 ( -170 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22570 ( -140 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6176.19(+80.78)
13日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前週末の終値に比べ80.78ポイント高の6176.19で引けた。
13日のアジア株式相場が堅調に推移し、買いが欧州市場に波及した。新型コロナウイルスのワクチン開発への期待から同日の米株が上昇して始まったのも追い風となった。製薬大手のファイザーは13日、独バイオ製薬ベンチャーと共同開発する新型コロナのワクチンが米食品医薬品局(FDA)の優先審査の対象になったと発表した。
投資家のリスク選好姿勢が強まった。指数構成銘柄全体の約9割が上昇した。
個別銘柄では、産金大手フレスニーヨが5.6%高で上昇率トップ。石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルはA株(2.6%高)、B株(2.4%高)ともに堅調だった。
半面、住宅大手テイラー・ウィンペイが0.9%安とさえなかった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12799.97(+166.26)
13日のドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前週末と比べて166.26ポイント高の1万2799.97だった。
上海株などアジア株高の流れを引き継いで買いが先行。資源や建設セクターの上昇が目立っている。
製薬大手のファイザーと独バイオ製薬ベンチャーのビオンテックは13日、共同開発する新型コロナウイルスのワクチンが米食品医薬品局(FDA)の承認審査を優先して受けられるようになったと発表した。ワクチン開発への期待が高まり、ビオンテックの株価は14%上げた。
個別銘柄では、半導体のインフィニオンテクノロジーズやスポーツ用品大手のアディダス、化粧品メーカーのバイヤスドルフなどへの買いも目立った。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5056.23(+85.75)
