NYダウ556ドル高、景気敏感株買われる

14日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸した。前日比556ドル79セント高の2万6642ドル59セントで終えた。
この日のNYダウは反落して取引を開始した。決算発表シーズンの本格化を前に、これまで相場上昇をけん引してきた主力ハイテク株が短期的な利益確定売りに押された。一方、相対的に出遅れていた資本財や石油など景気敏感株に買いが広がった。
 
ただ、西部カリフォルニア州のニューサム知事は13日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、幅広い領域で屋内の活動を再び停止するよう州全土に命令。南部フロリダ州でも同日、感染者が新たに1万2000人以上増えた。各州で経済活動再開の動きが後退することへの懸念が株価の重しとなった。
 
新型コロナウイルスがまん延する中、景気敏感株が売られやすい相場が続き、業績がコロナの影響を受けにくいハイテク株が相場上昇をけん引してきた。決算発表前にハイテク株を売って景気敏感株を買う持ち高調整の動きが出たようだ。
 
建機のキャタピラーが5%、石油のシェブロンとエクソンモービルは3%上昇してダウ平均を押し上げた。ホームセンターのホーム・デポ、外食のマクドナルドなど消費関連も底堅い動きだった。一方、ソフトウエアのマイクロソフトは小幅高にとどまり、ネット通販のアマゾン・ドット・コムは下げるなど、主力ハイテク株の値動きは見劣りした。
 
ハイテク株も16日のネットフリックスを皮切りに決算発表が始まる。期待通りの業績を上げられるのか内容を見極めたいとのムードが強まり、買いが手控えられた。
 
米連邦準備理事会(FRB)の高官発言が景気敏感株の買いを後押ししたとの見方もあった。ブレイナード理事は14日、FRBは大規模な資産購入を「持続的に継続させるべきだ」と述べたと伝わった。セントルイス連銀のブラード総裁は同日、「我々が正しくカードを切れば、失業率が大幅に低下する可能性がある」との見方を示したと伝わった。
 
14日朝に発表された大手銀行の2020年4~6月期決算はまちまちだった。1株利益が市場予想を上回ったをJPモルガン・チェースは小幅高で終えた。一方、1株損失が市場予想より膨らみ、減配を発表したウェルズ・ファーゴは大幅安となった。
 
セクター別では、エネルギーや自動車・自動車部品が上昇した一方、銀行が下落した。
 
ナスダック総合株価指数は反発し、前日比97.73ポイント高の1万0488.58で終えた。エヌビディアなど半導体の一角が買われたほか、バイオ製薬も上昇して相場を下支えした。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
26,642.59+556.79
S&P500種
3,197.52+42.30
ナスダック
10,488.577+97.734
NY金(ドル/トロイオンス)
1,813.40-0.70
NY原油(ドル/バレル)
40.44+0.34
円・ドル
107.24 – 107.26-0.02

 


【シカゴ日本株先物概況】

14日のシカゴ日経平均先物は反発した。
9月物は前日比160円高の2万2700円で引け、14日の大取終値を130円上回った。14日の米株式相場が上げ、日経平均先物にも買いが波及した。
NYダウは、ウイルスワクチン開発期待が下支えとなり上昇に転じた。ハイテク株の利益確定が散見される一方、当局による大規模支援策が長期に渡って維持されるとの期待から引けにかけては景気循環株がけん引し上昇幅を拡大した。米金融当局による経済支援の継続期待も支援材料になった。
 
この日の9月物高値は2万2730円、安値は2万2480円。
 
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22700 ( +130 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22730 ( +160 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6179.75(+3.56)
14日のFTSE100種総合株価指数は小幅に3日続伸した。前日の終値に比べ3.56ポイント(0.1%)高の6179.75で引けた。
米国カリフォルニア州で再び都市封鎖(ロックダウン)が実施されるなど、新型コロナウイルスの感染第2波への懸念がくすぶり、株価指数は寄り付きからマイナス圏で推移。また、英政府統計局が14日発表した5月の英実質国内総生産(GDP)が市場予想を下回ったことを嫌気した売りも出た。しかし、午後に原油高が進んだことで、石油株がけん引する形で切り返した。
指数構成銘柄全体のうち、上昇は約4割にとどまり、約6割が下落した。
 
通信株の値上がりが目立ち、BTグループは4%高で終えた。英政府は14日、次世代通信規格「5G」から中国の通信機器最大手華為技術(ファーウェイ)を2027年までに排除することを決めた。市場の一部では、もっと早い段階での完全排除と、それに伴う通信各社のコストの急増が予想されていた。このため、7年の猶予ができたことを前向きに捉える投資家が多かった。
 
石油輸出国機構(OPEC)は14日公表した月報で、20年の世界の石油需要見通しを引き上げた。これを手掛かりに原油相場が堅調に推移し、BPや英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルなど時価総額の大きい石油株が買われたのも指数全体を押し上げた。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12697.36(-102.61)
14日のドイツ株式指数(DAX)は3日ぶりに反落した。終値は前日と比べて102.61ポイント(0.8%)安の1万2697.36だった。
世界で新型コロナウイルスの感染拡大が続き、経済の停滞が長引くとの警戒感から売りが出た。欧州経済研究センター(ZEW)が14日発表した7月のドイツ景気予測指数が前月から悪化し、ドイツ景気の先行き懸念が強まった面もある。
 
個別銘柄では、半導体のインフィニオンテクノロジーズやソフトウエア会社大手のSAP、医薬・化学大手のメルクの下げが目立った。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5007.46(-48.77)

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