NYダウ続伸227ドル高、ワクチン開発への期待

15日のNYダウ工業株30種平均は4日続伸した。前日比227ドル51セント高の2万6870ドル10セントと6月10日以来ほぼ1カ月ぶりの高値で終えた。
新型コロナウイルスのワクチン開発への期待が強まり、コロナが業績の逆風となる銘柄を中心に買いが優勢となった。
 
米バイオ医薬品企業モデルナは前日夕、同社が開発する新型コロナウイルスのワクチン候補について、初期段階の臨床試験(治験)で良好な結果が出たと発表。英アストラゼネカと英オクスフォード大学が開発中のワクチンの臨床試験でも良好な結果が出たと伝わった。早期に実用化されれば経済が比較的早く正常化するとの期待が強まった。ワクチン開発への期待が高まり、航空株やクルーズ株など、新型コロナによる業績への打撃が大きい銘柄を中心に買いが入った。
 
ロイヤル・カリビアン・クルーズなどクルーズ船株が軒並み急伸した。ユナイテッド航空ホールディングスなど空運株も上げ、航空機のボーイングや航空機・機械のレイセオン・テクノロジーズにも買いが波及した。
 
また、4~6月期決算で1株利益が市場予想を大きく上回った金融のゴールドマン・サックスも買われた。クレジットカードのアメリカン・エキスプレスも高い。ダウ平均は朝方に一時428ドル高となり、2万7000ドル台に乗せた。
 
ただ、相場は午後にかけて伸び悩んだ。米国でのコロナの新規感染者数は1日6万人前後で高止まりしている。感染者数の動向や米景気への影響を慎重に見極めたいとのムードも強かった。
 
決算で売上高が市場予想に届かなかった医療保険のユナイテッドヘルス・グループが下げ、ソフトウエアのマイクロソフトも小反落してダウ平均の重荷となった。
 
ナスダック総合株価指数は続伸し、同61.92ポイント高の1万0550.49で終えた。モデルナなどバイオ製薬株が堅調だった。ただ、ネット通販のアマゾン・ドット・コムが2%下げるなど主力ハイテク株の一角が売られ、ナスダック指数は下げる場面もあった。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
26,870.10+227.51
S&P500種
3,226.56+29.04
ナスダック
10,550.492+61.915
NY金(ドル/トロイオンス)
1,813.80+0.40
NY原油(ドル/バレル)
40.99+0.70
円・ドル
106.91 – 106.96-0.10

 


【シカゴ日本株先物概況】

15日のシカゴ日経平均先物は続伸した。
9月物は前日比190円高の2万2890円で引け、15日の大取終値を60円下回った。新型コロナウイルスのワクチン開発期待が広がり、日経平均先物は米株とともに買われた。
この日の9月物高値は2万3015円、安値は2万2780円。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22890 ( -60 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22920 ( -30 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6292.65(+112.90)
15日のFTSE100種総合株価指数は4日続伸した。前日の終値に比べ112.90ポイント(1.8%)高の6292.65で引けた。
新型コロナウイルスのワクチン開発に関する前向きなニュースが続き、コロナの流行収束につながるとの期待から買いが入った。米バイオ医薬品企業モデルナや英製薬アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチンの開発が順調に進んでいると伝えられ、投資家心理が改善した。観光・製薬株などが上昇をけん引した。指数構成銘柄全体の約9割が上昇した。
 
個別銘柄では、アストラゼネカが5.2%高となったほか、同業のグラクソ・スミスクライン(2.9%高)、ヒクマ・ファーマシューティカルズ(5.4%高)も締まった。航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は10%高と値を飛ばした。
半面、4~6月期の売上高が半減した高級衣料バーバリーが5.6%安と売りを浴びた。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12930.98(+233.62)
15日のドイツ株式指数(DAX)は反発した。終値は前日と比べて233.62ポイント(1.8%)高い1万2930.98だった。2月24日以来およそ5カ月ぶりの高値となる。新型コロナウイルスのワクチン開発に関する前向きなニュースが続き、コロナの流行収束につながるとの期待感から買いが広がった。
 
個別銘柄では、航空エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズや医薬・化学大手のメルク、フォルクスワーゲン(VW)の上昇が目立った。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5108.98(+101.52)
 

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