16日午前の日経平均株価は反落した。午前終値は前日比113円54銭安の2万2831円96銭。東証株価指数(TOPIX)は4.24ポイント安の1585.27と、ともに軟化した。
東京都が15日、新型コロナ感染に関する警戒レベルを4段階ある最上位に引き上げるなど、新型コロナウイルスの感染再拡大が懸念されるなか、朝方から2万3000円の節目を前に利益確定売りが優勢となった。中国の2020年4~6月期の国内総生産(GDP)がプラス成長に転換したものの、消費の弱さが意識され前引けにかけて下げ幅はやや拡大した。
買い材料とされた米モデルナ社が開発する新型コロナウイルスワクチンへの期待は、「前日の東京市場で伝わっており、相場には織り込み済み」という。日経平均を押し上げるには力不足で、利益確定売りを吸収できない状況となった。
日経平均は7月2日以降、前日まで800円強上昇。直近の戻り高値となる6月9日の2万3185円85銭も視野に入れ、利益確保や戻り待ちの売りが出やすい環境だ。決算発表の本格化を前に、「業績動向を見極めないうちに上値を追うにはリスクがある」との見方は少なくない。
市場関係者は、「日経平均が2万3000円を大きく超えて一段と上昇するには材料不足」と指摘していた。
前場の東証1部の売買高概算は7億7618万株、売買代金は約1兆2926億円。値上がり銘柄数は1004、値下がり銘柄数は1070、変わらずは95銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は、医薬品、精密機器、情報・通信業などが下落し、上昇は空運業、鉄鋼、不動産業など。
個別銘柄では、ソニーやファーストリテイリングが高く、三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループがしっかり。日本航空やANAホールディングス、日産自動車が買われた。日経平均株価への新規採用が発表された日本取引所グループが急伸した。
半面、キーエンスやSMC、ファナック、ソフトバンクGが安く、東京エレクトロン、レーザーテック、村田製作所、トヨタ、中外製薬、アステラス薬も値を下げた。
東証2部株価指数は前日比36.11ポイント安の6530.35ポイントと3日続落した。
出来高9627万株。値上がり銘柄数は186、値下がり銘柄数は189となった。
個別ではサイバーステップがストップ安。東京ソワール、京福電気鉄道は年初来安値を更新。日本抵抗器製作所、マルヨシセンター、JMACS、アイケイ、ユーピーアールが売られた。
一方、パシフィックネット、MCJ、ハリマ共和物産、ジーエルサイエンス、ジュンテンドーが年初来高値を更新。クロスプラス、ぷらっとホーム、東京コスモス電機、グリムス、児玉化学工業が買われた。
