20日のNYダウ工業株30種平均は小幅に3営業日ぶりに反発し、前週末比8ドル92セント高の2万6680ドル87セントで終えた。決算発表が近づき、業績期待の高い大型ハイテク株が買われ相場上昇をけん引した。ただ、米国で新型コロナの新規感染者数が高止まりしており、米経済への懸念が上値を抑えた。
証券アナリストによる目標株価の引き上げが相次いだネット通販のアマゾン・ドット・コムやマイクロソフトなどハイテク大手が相場をけん引した。月内の決算発表を控え、アナリストがこれらの銘柄の目標株価を引き上げたことが好感された。ダウ平均は中盤まで軟調に推移したが、IT株がけん引し、終盤にプラス圏に浮上した。
新型コロナのワクチン開発への期待も相場を支えた。英製薬大手アストラゼネカと英オックスフォード大はこの日、ワクチン候補の臨床試験(治験)で、良好な抗体反応が確認されたと発表。また、米ファイザーと独ビオンテックは、米での治験に続き、ドイツの治験でも好結果が得られたと発表した。
投資家心理を測る指標とされ「恐怖指数」と呼ばれる米株の変動性指数(VIX)は一時、24台前半と6月前半以来の水準まで低下した。
一方、米国の南部や西部を中心に新型コロナの新規感染者が急増していることへの懸念から、ダウの上値は限られた。化学のダウや石油のエクソンモービルなど景気敏感株が売られた。工業製品・事務用品のスリーエム(3M)も安い。
セクター別では、小売り、ソフトウェアサービスが上昇した一方、エネルギーや食品・飲料・タバコが下落した。
ナスダック総合株価指数は前週末比263.90ポイント高の1万0767.09と続伸し、過去最高値を更新した。アマゾン・ドット・コムが6営業日ぶりに大幅反発した。前週に売られた電気自動車(EV)のテスラは急反発した。
NYダウ工業株30種(ドル)
26,680.87+8.92
S&P500種
3,251.84+27.11
ナスダック
10,767.092+263.902
NY金(ドル/トロイオンス)
1,817.40+7.40
NY原油(ドル/バレル)
40.69+0.10
円・ドル
107.23 – 107.27+0.07
【シカゴ日本株先物概況】
20日のシカゴ日経平均先物は反発した。
9月物は前週末比115円高の2万2790円で引け、20日の大取終値を140円上回った。
米国政府・議会が追加財政策の協議を開始したことが好感され上昇に転じた。ハイテク株の上昇がけん引する形で引けにかけては一段高となった。ハイテク銘柄主導で米株が上昇し、日経平均先物に買いが波及した。
20日の米株式市場でナスダック総合株価指数は過去最高値を更新した。
この日の9月物高値は2万2805円、安値は2万2555円。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22790 ( +140 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22820 ( +170 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6261.52(-28.78)
20日のFTSE100種総合株価指数は新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた経済の復興策をめぐる欧州連合(EU)の協議が長引く中を反落した。
前週末の終値に比べ28.78ポイント安の6261.52で引けた。世界の新型コロナウイルスの新規感染者数が高止まりし、景気低迷の長期化を懸念した売りが出た。指数構成銘柄の約6割が値下がりした。
原油安を背景に、時価総額の大きい英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルやBPなど石油株が売られた。
個別銘柄では、欧州航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が3.6%安。英民放大手ITVは3.3%安だった。
一方、英製薬大手のアストラゼネカは上昇した。同社は20日、英オックスフォード大学と開発している新型コロナワクチンの初期の臨床試験で、強い免疫反応を確認したと発表した。ワクチン販売による収益拡大を期待した買いが入った。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13046.92(+127.31)
20日のドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前週末比で127.31ポイント(1.0%)高の1万3046.92だった。新型コロナウイルスで打撃を受けた経済を立て直すための復興基金案で、欧州連合(EU)首脳が合意に達するとの期待感から買いが入った。新型コロナワクチンの実用化への期待も追い風だった。
英製薬大手のアストラゼネカは20日、英オックスフォード大学と開発している新型コロナワクチンの初期の臨床試験で、強い免疫反応を確認したと発表した。
個別銘柄ではソフトウエア会社大手のSAPや半導体の独インフィニオンテクノロジーズ、医薬・化学大手のメルクの上昇が目立った。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5093.18(+23.76)
