21日午前の日経平均株価は続伸した。前日比139円23銭高の2万2856円71銭で終えた。
前日の米国株市場でハイテク株比率の高いナスダック総合指数が大幅高で最高値を更新したことなどを受け、主力ハイテク株など中心にリスクを取る動きが強まった。
新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される一方、米国などで新型コロナワクチン開発への期待感が強まっており、景気底入れに対する思惑が全体相場を支えている。
英大手製薬のアストラゼネカなどによる新型コロナウイルスのワクチン開発の進展や、「欧州連合(EU)首脳会議が復興基金で合意する」との英紙フィナンシャル・タイムズ報道をきっかけに景気回復を期待した買いが優勢となった。
前場中ごろ、21日に東京都内で確認された新型コロナの新規感染者が230人程度と3日ぶりに200人台となる見通しだと伝わった。短期筋などによる売りが出て日経平均は上げ幅をやや縮小する場面もあったが、売りの勢いは鈍かった。「感染者数は米国などと比べ抑えられており、経済活動への影響が懸念されるほどではない」と受け止められた。
23日からの4連休や国内主要企業の決算発表を控え、売買を見送る投資家は多い。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆797億円、売買高は5億8504万株と少なかった。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)もわずかながら続伸した。東証1部の値上がり銘柄数は934。値下がりは1127銘柄、変わらずは108銘柄だった。
業種別株価指数(全33業種)は情報・通信業、電気機器、医薬品などが上昇し、輸送用機器、銀行業、空運業が下落した。
個別では、ソフトバンクGが買いを集めて大幅に上昇。武田、中外薬、第一三共や塩野義など医薬品関連が買われた。富士通、NEC、村田製といったハイテク株も上昇。ファーストリテが高く、神戸物産、楽天も値上がりした。
半面、トヨタの売りが厚く、ホンダ、いすゞも下押し。日本製鉄、三菱UFJ、三井住友は売られた。オリックス、住友商、三井不も安い。JR東日本、JR西日本、JALが下落した。
東証2部株価指数は前日比13.09ポイント高の6490.98ポイントと6日ぶり反発した。
出来高8218万株。値上がり銘柄数は212、値下がり銘柄数は160となった。
個別では、ビットワングループ、エルアイイーエイチ、MCJ、大同信号、ジーエルサイエンスが年初来高値を更新。日本精機、パシフィックネット、ギグワークス、Abalance、ビート・ホールディングス・リミテッドが買われた。
一方、梅の花、東京ソワール、フレンドリーが年初来安値を更新。ICDAホールディングス、武蔵野興業、北日本紡績、Jトラスト、川上塗料が売られた。
