9日のNYダウ工業株30種平均は7営業日ぶりに反落し、前日比300ドル14セント安の2万7272ドル30セントで終えた。
S&P500種株価指数は前日に年初来でプラスに転じており、上昇に一定の達成感が出ていた。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を10日に控え、持ち高調整の売りも出た。
新型コロナウイルス危機で急激に悪化した景気の早期回復への期待から、先週のダウは1週間で1727ドル上昇。週が明けた前日も461ドル高となった。この日の市場では株価の上昇ピッチの速さが意識され、相場の過熱感を警戒した売りが膨らんだ。最近買われていた航空やエネルギー、資本財などの銘柄で下げが目立った。
旅客需要の持ち直し期待から急伸していたユナイテッド航空ホールディングスなどの空輸株が急落し、連動して航空機のボーイングも大幅に下げた。クルーズ船やホテルも安い。
FOMCの結果発表を10日に控え、持ち高調整を目的とした売りも出た。金融政策は現状を維持する見通しだが、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が会見で「足元の株高をけん制する姿勢を示すかもしれない」との声も聞かれた。
セクター別では、テクノロジー・ハード・機器が上昇した一方、自動車・自動車部品、エネルギーが下落した。
ナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比29.01ポイント(0.3%)高の9953.75と連日で過去最高値を更新した。取引時間中には初めて10000台に乗せる場面があった。
9日にアナリストが目標株価を引き上げたSNS(交流サイト)のフェイスブックとネット通販のアマゾン・ドット・コム、半導体の自社開発への期待が強まったスマートフォンのアップルがいずれも3%高。アマゾンとアップルは上場来高値を更新した。検索サイトのアルファベット、ソフトウエアのマイクロソフトも上昇し、指数を押し上げた。
NYダウ工業株30種(ドル)
27,272.30-300.14
S&P500種
3,207.18-25.21
ナスダック
9,953.753+29.008
NY金(ドル/トロイオンス)
1,721.90+16.80
NY原油(ドル/バレル)
38.40-0.54
円・ドル
107.74 – 107.75-0.18
【シカゴ日本株先物概況】
9日のシカゴ日経平均先物は反落した。6月物は前日比325円安の2万2890円で引け、9日の大取終値を220円下回った。
10日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果や、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見を控え調整の売りが出た。
NYダウ工業株30種平均はこのところの株価の急回復を受けて利益確定の売りが広がり、7営業日ぶりに反落した。前日に約3カ月半ぶりの高値で引けたため利益確定の売りも出やすかった。この日の6月物安値は2万2705円、高値は2万3220円。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
22890 ( -220 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
22895 ( -215 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6335.72(-136.87)
9日のFTSE100種総合株価指数は続落した。前日の終値に比べ136.87ポイント(2.1%)安の6335.72で引けた。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を10日に控え、目先の利益を確定する売りが優勢だった。
個別銘柄では、英航空・防衛会社メギットが7.9%安。英航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスは7.1%安、英金融大手ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)は6.4%安。
ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)は3%安で終えた。同社が9日、2020年12月期の収益見通しを下方修正したのが嫌気された。原油安を背景に英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルやBPなど石油株の売りも目立った。
一方、英オンライン食品販売オカド・グループは4.5%高、英産業用ソフトウエアのアベバグループは4.1%高、メキシコ産金大手フレスニロは3.8%高と買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12617.99(-201.60)
9日のドイツ株式指数(DAX)は続落した。終値は前日と比べて201.60ポイント安の12617.99だった。
前週末に約3カ月半ぶりの高値水準を回復しており、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表という重要日程を10日に控え積極的な買いが見送られているもよう。また足元の上昇が急ピッチであったことから、利益確定売りが出ているようだ。
銀行や建設業の売りが特に目立つ。航空エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズや樹脂大手のコベストロ、ドイツ銀行など業績が世界景気の動向に左右されやすい銘柄の下げが目立った。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5095.11(-80.41)
