NYダウ1861ドル安 下げ幅4番目の大きさ

 
11日のNYダウ工業株30種平均は大幅に3日続落し、前日比1861ドル82セント安の2万5128ドル17セントで終えた。下げ幅は過去4番目の大きさだった。
米国の新型コロナウイルスの感染「第2波」が現実味を帯び、市場では経済活動の早期正常化への期待が後退した。相場は3月後半以降、急速に上昇してきたため、景気敏感株を中心に幅広く売りが出た。
 
米連邦準備制度理事会(FRB)は前日、少なくとも2022年末まで事実上のゼロ金利政策を継続するとの想定を発表。景気回復には時間がかかるとの認識を示した。
欧州株式市場では、英国、ドイツ、フランスなど主要国の株価指数が軒並み4%超下落した。米国でもその流れを引き継ぎ、大幅安で取引を開始。その後、下げ足を速めた。
 
南部テキサス州など早い段階で経済再開に踏み切った州を中心に6月に入って新型コロナの感染が再拡大している。ジョンズ・ホプキンス大学によると、11日夕時点で米国の感染者数の合計は201万人を超えた。
 
旅行需要の回復を見込んで3月の安値からの戻りが目立っていたユナイテッド航空ホールディングスなど、空運株が軒並み急落した。連動して航空機のボーイングも売られ、16%安となった。長期金利の低下を受け利ざや悪化懸念が強まったゴールドマン・サックスが9%安、シティグループは13%安など、金融株も軒並み大幅安だった。
 
米原油先物相場が大幅に下落し、エクソンモービルやシェブロンといった石油株にも売りが広がった。業績が景気の影響を受けやすい建機のキャタピラーや化学のダウなどの下げも目立った。ダウ平均を構成する30銘柄すべてが下落した。
 
投資家心理を測る指標とされ「恐怖指数」と呼ばれる米株の変動性指数(VIX)は前日比5割近く高い、40台まで上昇した。20を超えると不安心理が高まった状態とされる。
 
セクター別では、銀行や自動車・自動車部品、エネルギーを中心に全面安となった。
 
ナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに大幅に反落し、前日比527.62ポイント安の9492.73で終えた。SNS(交流サイト)のフェイスブックやソフトウエアのマイクロソフト、スマートフォンのアップルが5%前後下げるなど、主力ハイテク株に利益確定売りが広がった。半導体関連株やバイオ製薬など幅広い銘柄が下げた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
25,128.17-1,861.82
S&P500種
3,002.10-188.04
ナスダック
9,492.727-527.619
NY金(ドル/トロイオンス)
1,739.80+19.10
NY原油(ドル/バレル)
36.20-0.14
円・ドル
106.78 – 106.82-0.15
 


【シカゴ日本株先物概況】

11日のシカゴ日経平均先物は急落した。6月物は前日比1150円安の2万1710円と同限月物終値ベースで5月27日以来、約2週間ぶりの安値で引けた。
11日の大取終値を840円下回った。
新型コロナウイルスの感染「第2波」や景気回復の遅れへの懸念が広がり、急落した。日経平均先物は米株とともに売られた。5月下旬から経済再開に伴う景気回復期待から上げ進んできただけに、高値警戒の売りが出やすかった模様だ。
 
米国のコロナ感染者は11日に200万人に達したほか、米メディアによるとテキサス州で1日当たりの感染者数が10日に過去最大になった。アリゾナやフロリダ州などでも感染者数の増加が報じられた。
この日の6月物安値は2万1630円。高値は2万2940円

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6076.70(-252.43)
11日のFTSE100種総合株価指数は4日続落した。
新型コロナウイルスで打撃を受けた経済の再建には長い時間を要するという米連邦準備制度理事会(FRB)の見通しを背景にリスク回避が強まり、株価は全面安となった。前日の終値に比べ252.43ポイント(4.0%)安の6076.70で引けた。
米国の一部の州で1日あたりの新型コロナウイルスの感染者数が増えており、感染「第2波」の警戒感も重荷となった。
 
英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルやBPなど石油株が売られた。原油相場が大幅に下落し、採算悪化の懸念が強まった。ロイズ・バンキング・グループやスタンダードチャータード銀行など銀行株の下げも目立った。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表後に世界で金利が低下し、資金運用難や融資の利ざや縮小を懸念した売りが膨らんだ。
一方、産金・産銀会社ポリメタル・インターナショナルは2.1%高、メキシコ産金大手フレスニロは1.1%高だった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11970.29(-559.87)
11日のドイツ株式指数(DAX)は4日続落した。終値は前日と比べて559.87ポイント(4.5%)安の1万1970.29だった。米連邦準備理事会(FRB)が慎重な経済見通しを示し、世界の景気回復の遅れが意識された。米国における新型コロナウイルスの感染「第2波」の警戒感も重荷となった。
景気見通しに関して慎重な見方を示唆した。過度な景気回復期待が後退し、投資マインドが悪化している。全面安となり、特に自動車や鉱業セクターの売りが目立っている。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4815.60(-237.82)
 

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