714円安と急反発、過熱感和らぐ

16日午前の日経平均株価は大幅反発し、前日比714円01銭高の2万2244円96銭で前場を終えた。
前日の米主要株価指数は安く始まった後、プラスに転じた。米連邦準備制度理事会(FRB)が個別企業の社債を買い入れる新たな企業支援策を示したことが「企業の破綻は当面避けられるとの安心感につながった」という。
これを受けて東京株式市場も買いが優勢になった。
海外投資家による株価指数先物への買い戻しが入った。心理的節目の2万2000円を上回り、上げ幅は740円を超す場面があった。
 
FRBが個別企業の社債購入を開始すると発表した。新型コロナウイルス感染拡大の「第2波」の警戒感から米国株は売りが先行したが、中銀の積極的な景気支援策を好感した買いが優勢となり、ダウ工業株30種平均はその後、上げに転じた。
 
前日に日経平均は774円安と急落したこともあり、割安感の強まった景気敏感株を中心に自律反発狙いの買いも集まった。高値圏では戻り売りもみられたものの、アジア各国・地域の株式相場は総じて堅調に推移し、日本株の支えとなった。
 
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も大きく反発した。
 
世界的には新型コロナウイルスの感染者の増加ペースは拡大し続けており、「経済活動の再開による感染第2波の可能性は依然消えていない」。日経平均は前場の大幅上昇により25日移動平均からの乖離率が再び拡大しており、「相場が振れやすい状況はしばらく続く」との声も聞かれた。
 
東証1部の値上がり銘柄数は2055と全体の9割超を占め、全面高の展開だった。値下がりは90、変わらずは22銘柄だった。
 
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆913億円、売買高は6億2312万株だった。
 


業種別株価指数は33業種すべて上昇し、海運業、鉄鋼、輸送用機器、不動産業、繊維製品、ガラス・土石製品が上昇率上位になった。
 
個別では、ファーストリテイリングが大幅高、レーザーテックも活況高。トヨタ自動車、ソニーなども上昇した。東京エレクトロン、キーエンスなど値がさ株が買われ、三菱UFJフィナンシャル・グループなど銀行株も高い。古河電池、ダブル・スコープ、ウェーブロックホールディングスはストップ高。トヨタとホンダが高く、リクルートや電通グループが堅調だった。
米通信大手TモバイルUS株について、売却も含めた「潜在的取引」の検討を始めたと発表したソフトバンクグループ(SBG)は一時2%を超す上げとなったが、朝高後は伸び悩んだ。
 
半面、パーク24が大幅安、ヤクルト本社も大きく値を下げた。ウエルシアホールディングス、ケーズホールディングスなども軟調。中部電やローソンが下落した。
 

東証2部株価指数は前日比149.68ポイント高の6396.03ポイントと4日ぶり反発した。
出来高1億0100万株。値上がり銘柄数は345、値下がり銘柄数は63となった。
 
個別ではタカトリがストップ高。パス、JMACS、ユーピーアールは年初来高値を更新。アライドテレシスホールディングス、コーア商事ホールディングス、ダイトーケミックス、恵和、日本アビオニクスが買われた。
 
一方、フレンドリーが年初来安値を更新。ウインテスト、川本産業、ワイズテーブルコーポレーション、東京コスモス電機、誠建設工業が売られた。

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