19日午前の日経平均株価は小幅に反発した。前日比30円95銭高の2万2386円41銭で終えた。
朝方はリスクを取る動きが優勢で日経平均は160円程度高く始まったが、その後は上値が重く上げ幅を縮小、一時マイナス圏に沈む場面もあった。前日の米国株市場ではNYダウやナスダック総合指数などの主要株指数がちぐはぐな動きとなり、取引時間中のアジア株の動きも高安まちまちで方向感がつかみにくい地合いだった。
国内では19日から都道府県をまたぐ移動制限が全面解除となる。景気回復期待もあり朝方は買いが先行した。もっとも、新型コロナウイルスの感染「第2波」や米中の動向を巡る警戒感から、その後日経平均は下げに転じる場面もあるなど、前日終値近辺での小動きが続いた。
18日から中国の全国人民代表大会(全人代)で香港での反政府行為を禁じる「香港国家安全法」が審議入りしている。米中関係を巡る悪材料発生の可能性を警戒する向きもあり、積極的な売買は手控えられた。今週はボラティリティーが高い相場が続いたことも、投資家の様子見姿勢を強めた。
米国カリフォルニア州では新型コロナの感染者数が増えるなど「第2波」への懸念は根強い。「香港情勢をめぐり米国と中国の対立再燃が懸念されており、日本のハイテク企業の対中国企業への出荷が滞るリスクも意識されている」という。国内移動の解禁では感染再拡大のリスクも心配されており、「押し目買いの勢いは弱く、日経平均は上値が重い」との指摘も聞かれた。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は続落した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で8648億円と薄商いだった。売買高は4億6457万株だった。
東証1部の値上がり銘柄数は702。値下がりは1338銘柄、変わらずは122銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は空運業、陸運業、精密機器の上昇が目立ち、下落は鉄鋼、保険業、海運業など。
個別銘柄では、東エレク、アドテストなど半導体関連が買われた。JAL、ユニチャーム、テルモも上昇。JR東海、ファストリ、イオン、JALも高い。DLE、チェンジは急伸した。
半面、任天堂、ソニー、トヨタ、キヤノン、日本製鉄、SOMPO、三菱地所は売られた。三菱UFJ、三井住友、オリックス、第一生命HD、住友電、三菱ケミHDも安い。
東証2部株価指数は前日比8.81ポイント高の6438.15ポイントと4日続伸した。
出来高1億0155万株。値上がり銘柄数は206、値下がり銘柄数は175となった。
個別では、ツインバード工業がストップ高。プレミアムウォーターホールディングス、パシフィックネット、GMOペパボ、ベース、JMACSなど8銘柄は年初来高値を更新。ラオックス、西川ゴム工業、ムーンバット、日本パワーファスニング、ダイトーケミックスが買われた。
一方、フレンドリーが年初来安値を更新。田岡化学工業、東海リース、アライドテレシスホールディングス、日本和装ホールディングス、コーア商事ホールディングスが売られた。
