NYダウ153ドル高、ハイテク株がけん引

22日のNYダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発し、前週末比153ドル50セント高の2万6024ドル96セントで終えた。
ナスダック総合株価指数は7日続伸した。前週末比110.35ポイント(1.1%)高の1万0056.47で終え、ほぼ2週ぶりに過去最高値を更新した。
 
新型コロナウイルス感染の再拡大への警戒感から売りが先行した。ただ、業績がコロナの影響を受けにくい主力ハイテク株が成長期待の買いで上げると投資家心理が好転。ダウ平均は午後に明確に上昇に転じた。
 
ブラジルなど中南米では感染拡大が続き、ドイツでは感染者1人から新たに何人が感染するかを示す指数が上昇した。アジアや欧州の株式相場が下げ、米株にも売りが波及した。
 
米国では、一部の州で新型コロナの感染者数が増加している。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は「世界的流行は加速している」と警告した。市場では、感染「第2波」への懸念が強く、ダウ平均は下落して取引が始まった。下落幅は一時200ドルを超えた。
 
ただ、ハイテク株を中心に買いが入ると、上昇に転じた。アップルが2.6%高となり、上場来高値を更新。同社は22日、新技術を発表する恒例の世界開発者会議を開催し、製品開発力を好感した買いも入った。会議ではiPhoneの新基本ソフト(OS)を紹介。独自開発の半導体を搭載したパソコンの生産開始も表明した。
アマゾン・ドット・コムが1.5%高、マイクロソフトが2.8%高と値を上げた。
 
ハイテク株はコロナのまん延が事業の逆風になっておらず、成長期待の買いが入りやすい。低金利が続くとの見方も、高PER(株価収益率)銘柄が多いハイテク株の相対的な投資魅力を高めている。22日はソフトウエアのマイクロソフト、動画配信のネットフリックスも上場来高値を更新した。
 
経済活動再開の進展による景気回復への期待も株価を下支えした。ギャップが8.3%高、メーシーズが2.9%高と小売株は買いが先行した。
セクター別では、ソフトウェア・サービス、テクノロジー・ハード・機器の上昇が目立った一方、銀行は下落した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
26,024.96+153.50
S&P500種
3,117.86+20.12
ナスダック
10,056.475+110.352
NY金(ドル/トロイオンス)
1,766.40+13.40
NY原油(ドル/バレル)
40.58+0.75
円・ドル
106.88 – 106.94-0.08
 


【シカゴ日本株先物概況】

22日のシカゴ日経平均先物は反発した。9月物は前週末比260円高の2万2550円で引け、22日の大取終値を230円上回った。
ハイテク銘柄主導で米株が上昇し、日経平均先物にも買いが波及した。
ナスダック総合株価指数が過去最高値を更新した。
新型コロナウイルス感染第2波への懸念がくすぶり下落して寄り付いたものの、全米各地で経済活動の再開が進んでいることやトランプ大統領が第2弾の直接的現金供給も支持する考えを示すと大きく上昇に転じた。
 
この日の9月物高値は2万2565円、安値は2万2110円。
 
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22550 ( +230 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22610 ( +290 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6244.62(-47.98)
22日のFTSE100種総合株価指数は反落した。前週末の終値に比べ47.98ポイント(0.8%)安の6244.62で引けた。新興国で新型コロナウイルスの感染の勢いが衰えず、一時は感染ペースが落ち着きつつあった米国では再び増加傾向にある。ドイツでは患者1人から何人新たに感染するかを示す再生産数が上昇し、感染「第2波」の懸念が強まった。
感染の収束や景気回復には時間がかかるとの見方から売りが優勢だった。石油株や銀行株など、業績が世界の景気動向に左右されやすい銘柄への売りが目立った。
 
この日のFT指数は安寄り後にじりじりと戻し、午前9時半すぎにいったん切り返した。同10時半ごろには6309.04の高値を付けたが、その後はじり安に転じ、あと値を消した。
指数構成銘柄の約6割が値下がりした。
 
個別銘柄では、欧州航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が4.6%安。英航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスは4.5%安、英酒造大手ディアジオは3.5%安、スイス資源大手グレンコアは3.4%安だった。
 
一方、英オンライン食品販売オカド・グループは5.0%高、メキシコ産金大手フレスニロは4.5%高、英ホームセンター大手キングフィッシャーは4.2%高、英小売大手セインズベリーは3.1%高、不動産大手バークレー・グループは3.0%高と好調だった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12262.97(-67.79)
22日のドイツ株式指数(DAX)は反落した。終値は前週末と比べて67.79ポイント(0.6%)安い1万2262.97だった。
先週末に開催されたEU首脳テレビ会議で、復興基金を巡る加盟国間での対立が解消されずに上値の重い展開。
ドイツで患者1人から何人新たに感染するかを示す再生産数が上昇し、感染「第2波」の懸念が強まった。
 
不正会計の疑惑が浮上しているオンライン決済サービスのワイヤーカードは44%下げた。同社は22日、銀行の信託口座にあるはずの19億ユーロ(約2280億円)が存在していなかった可能性が高いと明らかにし、2019年通期と20年1~3月の決算を取り下げることを発表した。ムーディーズは19日には、ワイヤーカードの格付けを6段階引き下げて投機的水準の「B3」としていた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4948.70(-30.75)

 

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