NYダウ131ドル高と続伸、経済指標が支え

23日のNYダウ工業株30種平均は続伸した。前日比131ドル14セント高の2万6156ドル10セントで終えた。米中関係への懸念が後退したうえ、スマートフォンのアップルが連日で上場来高値を更新するなどハイテク株中心に買いが優勢だった。ナスダック総合株価指数は8日続伸。前日比74.89ポイント高の1万0131.37で終え、連日で過去最高値を更新した。
 
ナバロ米大統領補佐官が22日夜、米メディアに対し、米中貿易協議の「第1段階」合意について「終わった」と発言し、ダウ平均先物が急落した。ただ、トランプ米大統領が火消しに回ると、米中関係の悪化懸念が後退し、ダウ平均は上昇して取引が始まった。
スポーツ用品のナイキや建機のキャタピラーなど中国関連銘柄が上昇し、ダウ平均を支えた。
 
この日も買いの中心は前日に続き、ハイテク株だった。アップルは前日に開いた「世界開発者会議」で発表したスマホ用基本ソフトの更新などが評価され、アナリストによる目標株価の引き上げが相次いだ。米国では新型コロナウイルスの感染第2波が警戒されているが、ハイテク株はコロナまん延が逆風にならない銘柄が多い。その代表格であるソフトウエアのマイクロソフト、ネット通販のアマゾン・ドット・コムも上場来高値を更新した。
 
好調な景気指標も株買いにつながった。IHSマークイットが23日に発表した6月のユーロ圏の購買担当者景気指数(PMI)速報値の総合指数が市場予想以上に上昇し、米国のPMIも上昇した。米商務省が発表した5月の新築住宅販売件数も市場予想を上回った。米債券市場では相対的に安全資産とされる米国債が売られて長期金利が上昇する場面があり、利ざや改善の思惑からJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなど金融株が買われた。
 
ただ、ダウ平均は高く始まった後、日中は2万6200ドル前後を挟んで一進一退の展開だった。主要500社ベースの今後1年間の利益予想に基づくPER(株価収益率)は22倍を超え、19年ぶりの高水準にある。割高感も意識されており、積極的に上値を追う動きは限られた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
26,156.10+131.14
S&P500種
3,131.29+13.43
ナスダック
10,131.369+74.894
NY金(ドル/トロイオンス)
1,782.00+15.60
NY原油(ドル/バレル)
40.02-0.71
円・ドル
106.47 – 106.50-0.62

 


【シカゴ日本株先物概況】

 
23日のシカゴ日経平均先物は小幅反落した。
9月物は前日比45円安の2万2505円で引け、23日の大取終値を55円下回った。
朝方の市場で、好調な米景気指標や米中関係の悪化懸念の薄れから買いが先行したが、引けにかけて利益確定売りに押された。円高も重荷だった。
 
この日の9月物安値は2万2185円、高値は2万2765円。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22505 ( -55 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22570 ( +10 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6320.12(+75.50)
23日のFTSE100種総合株価指数は投資家のリスク回避姿勢が後退し、株価は反発した。前日の終値に比べて75.50ポイント(1.2%)高の6320.12で引けた。
指数構成銘柄の約8割が値上がりした。
ジョンソン英首相は23日、新型コロナウイルスの感染抑制のために導入した規制の一部を緩和すると発表。7月4日からイングランドの飲食店やホテル、美容院などの再開を認める。経済活動の再開で景気が回復に向かうとの期待が高まった。
23日発表の英国の6月の購買担当者景気指数(PMI)速報値が市場予想を上回ったのも投資家心理の改善につながった。業種別では石油や資源、金融の上昇が目立った。
 
個別銘柄では、ロシア鉄鋼大手エブラズが8.2%高。英資産運用大手スタンダード・ライフ・アバディーンは6.3%高、オランダのオンライン食品デリバリー大手ジャストイート・テークアウェイは4.9%高、メキシコ産金大手フレスニロは4.8%高だった。
一方、製薬会社ヒクマ・ファーマシューティカルズは5.6%安、英不動産サイト大手ライトムーブは4.1%安、英オンライン食品販売オカド・グループは3.5%安と売られた。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12523.76(+260.79)
23日のフランクフルト株式市場で、独株式指数(DAX)は反発した。終値は前日と比べて260.79ポイント(2.1%)高の1万2523.76だった。10日以来およそ2週間ぶりの高値となる。
6月製造業PMI速報値が44.6と市場予想(42.5)を上回った。景気回復期待が高まり、指数の押し上げ要因につながっている。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5017.68(+68.98)
フランス株も大幅高の展開。6月製造業PMI速報値が52.1と市場予想(46.0)や好不況の分かれ目の50を上回った。好調な指標結果を好感した買いが入っている。
 
 

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