1日の米株式相場は続落し、NYダウ工業株30種平均は前日比622ドル03セント(2.6%)安の2万3723ドル69セントで終えた。下げ幅は一時700ドルに達した。
トランプ米大統領が30日に、新型コロナの発生源が中国のウイルス研究所だと主張。米メディアは中国への賠償請求や報復関税の可能性を報じた。市場では、米中対立の激化への懸念が拡大。投資家はリスク回避の姿勢を強め、幅広い銘柄が売られた。化学のダウや建機のキャタピラーなど中国の売上高比率が高い銘柄に売りが優勢となった。
米ミネソタ大学の研究チームが、新型コロナのパンデミック(世界的流行)が最長2年間は続く可能性が高いとの予測を発表した。各国が経済再開に向けて動き出すなか、新型コロナの長期化懸念の高まりも投資家心理の悪化につながった。
1日発表の決算が最終赤字に転じた石油大手エクソンモービルが急落し、航空機のボーイングも大きく売られた。景気減速への懸念からゴールドマン・サックスなど金融株の下げも目立った。
アップルが前日夕に発表した1~3月期決算は市場予想を上回る増収となった。ただ、新型コロナを巡る不透明感などを理由に4~6月期の見通しの発表を見送ったのが嫌気され、株価は1.6%下げた。前日夕に減益決算を発表したネット通販のアマゾン・ドット・コムは7%超下げた。ソフトウエアのマイクロソフトなど3月後半以降の上昇相場をけん引してきた主力ハイテク株全般に売りが広がり、投資家心理を冷やした。
業種別S&P500種株価指数の全11種が下落し、ダウ平均を構成する30銘柄はディスカウントストアのウォルマートを除く29銘柄が下げた。株式相場の予想変動率を示す変動性指数(VIX)は約9%高い37台に上昇した。
ナスダック総合株価指数は同284.60ポイント(3.2%)安の8604.95で終えた。
NYダウ工業株30種(ドル)
23,723.69-622.03
S&P500種
2,830.71-81.72
ナスダック
8,604.948-284.603
NY金(ドル/トロイオンス)
1,700.90+6.70
NY原油(ドル/バレル)
19.69+0.85
円・ドル
106.90 – 106.92+0.31
【シカゴ日本株先物概況】
1日のシカゴ日経平均先物は続落した。
6月物は前日比475円安の1万9515円で引け、1日の大取終値を115円下回った。
NYダウは、決算や見通しが嫌気されたアマゾン・ドット・コムやアップルなど主力ハイテク株が下落したほか、新型コロナウイルスのパンデミックの責任を巡り米中関係の悪化懸念が強まった。トランプ米大統領は30日、中国が初期対応を誤ったため新型コロナウイルスが世界に拡散したとして、関税引き上げなどの報復措置を検討していると明らかにした。
また、米サプライマネジメント協会(ISM)が1日発表した4月の米製造業景況感指数が11年ぶりの低水準だったことも弱材料になった。
この日の6月物安値は1万9445円、高値は1万9960円。
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
1日のFTSE100種総合株価指数は新型コロナウイルスの感染拡大をめぐる米中対立を嫌気し続落した。前日の終値に比べ138.15ポイント(2.3%)安の5763.06で引けた。トランプ米大統領が新型コロナウイルスの感染拡大を巡り、中国に報復を検討していると発言。米中の対立が再燃し、世界景気が一段と悪化するとの懸念から売りが出た。
個別銘柄では、旅行大手カーニバルが8.4%安。英・オランダ系石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルA株は7.0%安、シェルB株は6.7%安、英航空・防衛会社メギットは5.9%安。英格安航空大手イージージェットと英保険大手プルーデンシャルは各5.8%安と下落した。
一方、英金融大手ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)と英ビジネス情報会社インフォーマ、アイルランドの賭け屋フラッター・エンターテインメントはいずれも2.4%高と買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
メーデーの祝日で休場
■フランス・パリ株価指数
メーデーの祝日で休場
