NYダウ218ドル安と反落、米雇用に懸念

6日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、ほぼこの日の安値となる前日比218ドル45セント(0.9%)安の2万3664ドル64セントで終えた。米雇用指標の大幅な悪化や米中対立の懸念から売りが優勢となり、ダウ平均は取引終了にかけ一段安となった。
 
米雇用関連指標の急激な悪化などを受けて売り買いが交錯し、ダウ平均は前日終値を挟んでもみ合う展開が続いた。ただ、米中対立激化への懸念から、終盤に売りが加速した。
朝方にオートマティック・データ・プロセッシング(ADP)が発表した4月の全米雇用報告では、非農業部門の民間就業者数が前月比2023万6000人減と、記録的な減少幅となった。市場予想は2005万人減だった。
 
トランプ米政権が新型コロナウイルス拡散の責任を問うとして、中国への報復措置の検討に入った。訴訟を通じた損害賠償の請求や中国企業に対する半導体の輸出規制の強化などが実施される可能性がある。米中対立が深刻化していることも投資家心理の悪化につながった。
 
一方、新型コロナによる業績への影響が比較的軽微なマイクロソフトやアップルなどハイテク大手に買いが集まり、株価の下値を支えた。また、感染防止のため制限している経済活動を再開する動きが欧米などで広がっていることも、引き続き株価の支援材料となった。
カリフォルニア州は8日から衣料品店など一部の小売店の営業を再開する。経済規模の大きい同州の経済再開で、米景気の回復を期待した買いが入った。
 
ただ、雇用悪化による個人消費の減退懸念でクレジットカードのアメリカン・エキスプレスが下落した。原油先物相場の下落を受けエクソンモービルとシェブロンも安かった。
 
セクター別では保険や公益事業が下落した一方、半導体・同製造装置やテクノロジー・ハード・機器が上昇した。
 
ナスダック総合株価指数は前日比45.27ポイント(0.5%)高の8854.39と3日続伸した。インテルやエヌビディア、マイクロン・テクノロジーなど半導体株の上昇が目立った。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
23,664.64-218.45
S&P500種
2,848.42-20.02
ナスダック
8,854.388+45.267
NY金(ドル/トロイオンス)
1,688.50-22.10
NY原油(ドル/バレル)
24.29+0.306日 18:06
円・ドル
106.08 – 106.10-0.85

 


【シカゴ日本株先物概況】

6日のシカゴ日経平均先物は反落した。6月物は前日比185円安の1万9360円で引け、1日の大取終値を270円下回った。
NYダウは、4月ADP雇用統計で民間部門の雇用者数が2020万人減と過去最大の減少を記録し、今週発表される4月雇用統計への警戒感から引けにかけて下落した。
米雇用指標を手掛かりに景気悪化への警戒感が広がり、日経平均先物は米株とともに売られた。
 
この日の6月物安値は1万9355円、高値は1万9750円。
 
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
 19360 ( -270 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
19395 ( -235 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 5853.76(+4.34)
6日のロンドン株式市場で、FTSE100種総合株価指数は小幅に続伸した。前日の終値に比べ4.34ポイント(0.1%)高い5853.76で引けた。世界的な外出制限の緩和に向けた動きを好感した買いが入った。もっとも、6日発表の4月の英建設業の購買担当者景気指数(PMI)が過去最低を更新するなど、足元では景況感の悪化が続いており、ただ、全体的に上値は重かった。
業種別では医薬品の上昇が目立った。指数構成銘柄のうち、上昇、下落銘柄はそれぞれ約半分だった。
個別銘柄では、製薬大手ヒクマ・ファーマシューティカルズが5.2%高と堅調。同グラクソ・スミスクライン(1.7%高)、アストラゼネカは6日、糖尿病治療薬フォシーガについて、米食品医薬品局(FDA)が心不全治療薬としての効果を認めたと発表したのが材料視された。
 
一方、前日大幅高だった石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルがA株、B株ともに4%前後の下落。クルーズ船運営の旅行大手カーニバルは5.4%安の軟調。教育・メディア大手ピアソンが7.2%の急落となった
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 10606.20(-123.26)
6日のドイツ株式指数(DAX)は反落した。終値は前日と比べて123.26ポイント(1.2%)安い10606.20だった。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4433.38(-49.75)

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