11日午前の日経平均株価は続伸し、前週末比287円49銭高の2万0466円58銭で終えた。
前週末の米国市場では、新型コロナウイルスの影響で停滞している経済活動の再開期待を背景に主要株価指数がそろって上昇した。11日の東京株式市場も米市場の強い地合いを引き継いで朝から買いが優勢となり、日経平均はじりじりと上げ幅を広げた。
安倍晋三首相は同日の衆院予算委員会で、国内の新型コロナウイルス感染症の状況について「収束への道を着実に進むことができている」との認識を示した。
一部では政府が特定警戒都道府県を除く34県について、14日の一括解除を検討していると伝わった。緊急事態宣言の解除が段階的に進んで経済活動が徐々に再開するとの期待が高まった。
また、前週末に発表した2020年1~3月期決算が事前予想を上回ったSUMCOなど、「11日は、業績関連の材料も当たりの日だった」との声も聞かれた。
世界的に景気が悪化する中でも半導体需要は比較的底堅く、関連株が買われていることも日経平均を押し上げた。
日経平均は2万0500円近辺では伸び悩む場面が目立った。最近の相場上昇ペースが速く、利益確定売りが出やすかったほか、米ホワイトハウスで新型コロナウイルスの感染者が相次いでいることなどが重荷となった。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も続伸した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆151億円、売買高は6億1456万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1626と、全体の7割超を占めた。値下がりは466銘柄、変わらずは75銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は、空運業、海運業、鉄鋼、陸運業が上昇率上位になった。証券・商品先物取引業、電気・ガス業などは下落。
個別では、ソフトバンクG、ファーストリテが買われ、リクルートHD、OLCは大幅高。アルプスアルやミネベアが買われている。日産自やマツダなど自動車株、ANAHDやJALの空運株も上昇が目立った。スクリンやSUMCOも高い。日本製鉄が大きく値を上げ、三菱UFJ、住友鉱、JR東日本上は上昇した。
半面、富士フイルム、レーザーテックが反落し、任天堂は続落。エムスリーや野村、中外薬などが売られた。
東証2部株価指数は前週末比95.40ポイント高の5807.21ポイントと3日続伸した。
出来高7456万株。値上がり銘柄数は344、値下がり銘柄数は85となった。
個別では、アクロディア、宮入バルブ製作所がストップ高。北日本紡績、日本インシュレーションは一時ストップ高と値を飛ばした。はごろもフーズ、広栄化学工業など4銘柄は年初来高値を更新。TBグループ、大和重工、RVH、鉄人化計画、ラオックスが買われた。
一方、マナック、川本産業、さいか屋、セントラル総合開発、兵機海運が売られた。
