12日の日経平均は4営業日ぶりに反落。24円18銭安の2万366円48銭(出来高概算12億4000万株)で取引を終えた。
11日の米国市場は、米国政府の新型ウイルス対策チームの数名の専門家が自主隔離に入ることを発表するなど、米政権内でのウイルス感染リスク上昇への警戒感からまちまちだったこともあり、利食い優勢の相場展開となった。
ただし、寄り付き直後に2万293円97銭まで下げる局面もみられたが、その後は底堅い展開をみせており、後場には2万457円37銭と上昇に転じる局面もみせている。
大引けではプラス圏を維持できなかったが、小幅な下げであり、全体としては底堅さが意識された。
高値は2万457円までで、2万500円は壁となり続けた。きのうの取引時間中には2万500円を上回っており、同水準は強い抵抗ではないとは思われるが、節目を前にもたつくようだと、目先の利益を確定する売りが上値を抑える可能性があるだろう。
■本日のポイント
1.日経平均は4日ぶりに小幅反落、戻り売りに押される展開
2.新型コロナの感染が海外の一部で再び増加、これが嫌気材料に
3.米中対立が深まることへの懸念と経済活動の再開期待が綱引き
4.トヨタの決算見通しは想定以上の悪さも相場への影響は限定的
5.後場後半下げ渋り、日経平均は一時プラス圏に浮上する場面も
決算が注目されたトヨタは後場に下げ幅を拡大。今期見通しを出してきただけ立派と言いたいが、株式市場では好感されなかった。足元の株式市場では今期見通しを非開示とする企業が続出する中、業績を脇に置いてマネーゲームを楽しむかのような動きも見られるが、トヨタの営業利益8割減計画を見て、この先は決算に対する株価の反応が厳しくなるかもしれない。騰落率ランキングを見て、派手に上げる銘柄と下げる銘柄のどちらが多いかという点に注目しておきたい。
明日13日の日経平均株価はもみ合い商状か。
新型コロナウイルス問題をめぐり、期待と不安が交錯する状態が続きそうだ。
感染者数が米国で最も多いニューヨーク州では15日から一部の業種や地域で経済活動が再開する運びだ。国内では、政府が緊急事態宣言について14日に重点的な感染拡大防止が必要な特定警戒都道府県の一部とそれ以外の34県すべてで解除を検討する方針にあり、経済再開への期待は根強いだろう。
■上値・下値テクニカル・ポイント(12日現在)
22142.24 均衡表雲上限(週足)
21711.51 200日移動平均線
21647.33 26週移動平均線
21326.76 ボリンジャー:+3σ(25日)
21310.55 ボリンジャー:+1σ(13週)
21269.84 均衡表雲下限(週足)
20733.73 75日移動平均線
20691.71 ボリンジャー:+2σ(25日)
20366.48 ★日経平均株価12日終値
20237.07 均衡表雲上限(日足)
20237.07 均衡表基準線(週足)
20070.67 6日移動平均線
20056.66 ボリンジャー:+1σ(25日)
19855.13 均衡表転換線(日足)
19638.81 新値三本足陰転値
19638.13 13週移動平均線
19421.62 25日移動平均線
19306.39 ボリンジャー:-1σ(26週)
ローソク足は胴体と上下のヒゲが短い陰線を引いて短期的な強弱感対立を示唆。ザラ場高値と安値が昨日のレンジ内に収まる一方、ともに上向きの25日線やその上を走る5日線上を割り込むことなく推移し、昨日までの3連騰後のスピード調整となった。
一目均衡表では3役好転後の買い手優勢の形状が継続したほか、東証1部の単純平均株価が小幅ながら上げ、大勢では強気継続を示唆。ボリンジャーバンド(25日ベース)でも+1σと+2σの中間より+2σ寄りの強気側で引けたため、日経平均は上昇基調維持が予想される。
