14日午前の日経平均株価は続落し、前日比128円60銭安の2万0138円45銭で前場を終えた。
前日の米国株市場で主要株価指数が続急落となったことで、東京株式市場でも広範囲に運用リスクを避ける動きが優勢となった。米国ではパウエルFRB議長が講演で新型コロナウイルスの影響により米経済の停滞が長期化することに懸念を表明、これが投資家心理を弱気に傾けている。
売り先行後は底堅く推移した。21年3月期に増益になるとの見通しを示した武田が上昇するなど、一部の好業績銘柄には買いが優勢だった。シカゴ市場の米株価指数先物が底堅く推移したのも相場を支えた。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は下落した。主要企業の2020年3月期の決算発表が本格化している。20年3月期が減益だったソニーが売られた。さらに、21年3月期の業績予想を未定とする企業が相次ぎ、業績の先行き不透明感が強まり、全体の重荷となった。
西村康稔経済財政・再生相は14日午前の基本的対処方針等諮問委員会で、緊急事態宣言の対象から39県を解除する意向を表明した。市場では「日本の経済活動再開に向けた動きは欧米に後れをとっていたが、段階的な再開に進むことで投資家心理にはプラスとなる」との声が聞かれた。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で9452億円、売買高は5億7278万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1555、値上がりは536、変わらずは79だった。
業種別株価指数(全33業種)は電気機器、輸送用機器、情報・通信業などが下落し、医薬品、陸運業、空運業は上昇した。
個別では、ソニー、クボタが安く、トヨタ自動車も軟調。東京エレクトロン、SUMCOなど半導体関連も安い。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも冴えない。ソフトバンクグループやファナック、塩野義が下落した。イーレックスが急落、みらかホールディングスも大幅安となった。
半面、武田薬品工業、第一三共、日本新薬など薬品株の一角が買われ、ネクソンも値を飛ばした。TATERUが急騰、メガチップスも大幅高に買われた。NISSHA、メディカル・データ・ビジョンなどストップ高に買われた。エムスリーやキッコマンも上昇した。
東証2部株価指数は前日比28.44ポイント安の5785.76ポイントと続落した。
値上がり銘柄数は138、出来高6307万株。値下がり銘柄数は234となった。
個別では、ショクブン、富士ソフトサービスビューロ、パルステック工業、児玉化学工業、日本インシュレーションが売られた。
一方、デュアルタップがストップ高。ムーンバットは一時ストップ高と値を飛ばした。山喜、東亜バルブエンジニアリング、コーア商事ホールディングスは年初来高値を更新。大和、恵和、エリアクエスト、アサヒ衛陶、日和産業が買われた。
