15日午前の日経平均株価は続落した。午前終値は前日比60円75銭安の1万9854円03銭。
前日の米国株高を受け、朝方は買いが先行し一時283円高の2万0198円を付けた。
ただ米中対立の激化懸念に加え、主要企業の今期業績悪化の警戒感が根強く、米株価指数先物が時間外取引で下落したことを受け、次第に売りが優勢となり2万円を再び割り込んだ。
トランプ米大統領は、中国の新型コロナウイルスへの対応に失望し断交の可能性も示唆したと報じられるなか、米中関係の緊張感の高まりも警戒された。
週末前に持ち高を整理するための売りも出たようだ。取引時間中に発表された中国の4月の小売売上高は市場予想よりも減少率が大きかった。中国の内需低迷が懸念され、アジア各国・地域の株価指数が軟調に推移。日本株相場にも重荷となった。
市場関係者は「トランプ米大統領が中国の新型コロナウイルスへの対応に不満を示し、米中摩擦が再燃することへの警戒感が強まった」と指摘。新型コロナの感染状況は今後、各国・地域の対応次第で「第二波」が訪れるかなど濃淡が表れる可能性もあり、「不透明感が強い」という。
また「海外勢の参入は限定的で、個人中心のボリューム感に乏しい相場。上昇の勢いは弱い」との見方も聞かれた。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も続落した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で9872億円、売買高は6億1255万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1379と、全体の約6割を占めた。値上がりは712、変わらずは77銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は不動産業、水産・農林業、食料品、空運業の下落が目立ち、上昇は鉱業、倉庫・運輸関連業、輸送用機器など。
個別では、ソフトバンクグループやファーストリテイリングが安く、日清粉Gや菱地所が大幅安。アステラス、武田薬品工業、塩野義、テルモが下落し、NTTデータやコナミHDも売られた。トヨタ自動車、三菱UFJフィナンシャル・グループも安い。
一方、半導体製造装置大手の米アプライドマテリアルズ(AMAT)が14日に2020年5~7月期の業績が2~4月期から改善する見通しを示したことを受け、東エレクやアドバンテストなど半導体関連株の一角に連想買いが入った。KDDIや富士フイルムが高く、ダイキンやヤマハが買われた。
東証2部株価指数は前日比35.17ポイント安の5696.16ポイントと3日続落した。
出来高6026万株。値上がり銘柄数は150、値下がり銘柄数は235となった。
個別では、那須電機鉄工が一時ストップ安と急落した。デュアルタップ、ウイルテック、児玉化学工業、Abalance、SIGが売られた。
一方、Jトラスト、MCJ、扶桑電通、オリエンタルチエン工業、東洋刃物が買われた。
