24日午前の日経平均株価は反落し、前日比157円02銭(0.81%)安の1万9272円42銭で終えた。
NYダウ工業株30種平均は前日比39ドル高と小幅続伸した。ただ、一時上げ幅を400ドル超に広げた後、急速に伸び悩んだため、上値の重さが目立った。東京株式市場も株価が上昇した前日の反動のように、半導体関連株など幅広い銘柄が値下がりした。
新型コロナウイルスの感染拡大を背景に国内外の景気が急速に悪化しており、改めて先行きへの警戒感が高まった。海外の短期筋が株価指数先物に断続的に売りを出すなかで日経平均の下げ幅は一時200円を超えた。
23日公表の4月の月例経済報告は、景気について「急速に悪化しており、極めて厳しい状況」との認識を示した。「悪化」と表現するのはリーマン・ショックの影響があった2009年5月以来、ほぼ11年ぶりだ。海外でも4月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が大幅に悪化するなど、不安材料が相次いでいる。景気や企業業績に対する不安が投資家心理の重荷になった。
売り一巡後は下げ渋る動きもみられた。午前の下げを受けて午後は日銀の上場投資信託(ETF)買いが入るとの見方が強い。市場では「足元の薄商いのなかでは日銀のETF買いのインパクトが大きく、積極的には売りづらい」との声が聞かれた。日銀が27日に開く金融政策決定会合で追加金融緩和に踏み切るとの観測も一定の支えになった。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も反落した。
売買代金の低迷が顕著で、「値動きが荒れる可能性が大きい」状況。投資意欲が冷え込んでいる中で、週末に伴う持ち高調整の売りなどを浴びた場合、「午後の日経平均が下振れすることを警戒する必要がある」との声も上がっていた。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で7994億円、売買高は4億8214万株だった。東証1部の下がり銘柄数は1504と、全体の7割近くを占めた。値上がりは573銘柄、変わらずは92銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は、空運業、証券・商品先物取引業、鉄鋼の下落が目立ち、上昇は石油・石炭製品、保険業、精密機器など。
個別銘柄では、米インテルの決算を受けて太陽誘電やアドテストなど半導体株の下げが目立った。ソフトバンクグループや富士フイルムホールディングス、東京エレクトロン、ソニー、アルプスアルや富士電機、キヤノンなども売られた。トヨタ自動車、日産自やマツダの自動車株も安い。
半面、任天堂やサイバーエージェントが高く、ネットワンシステムズが急伸。オムロンやオリンパスなどは逆行高。武田や中外薬も上昇した。
東証2部株価指数は前日比32.31ポイント安の5483.63ポイントと反落した。
出来高5194万株。値上がり銘柄数は177、値下がり銘柄数は210となった。
個別では、東京ソワールが年初来安値を更新。TBグループ、ビート・ホールディングス・リミテッド、JFEシステムズ、インスペック、ショクブンが売られた。
一方、ウェルス・マネジメントがストップ高。大運は一時ストップ高と値を飛ばした。サトウ食品工業、大都魚類は年初来高値を更新。レオクラン、明星電気、伏木海陸運送、オーベクス、アップルインターナショナルが買われた。
