510円高と大幅反発、治療薬期待で

30日午前の日経平均株価は反発し、午前の終値は前営業日比510円38銭高の2万0281円57銭だった。
 
新型コロナウイルスの治療薬への期待から大幅に上げた29日の米国株からの流れを受けて、短期勢の先物買いが主導して上昇した。取引時間中に2万円台に乗せたのは3月9日以来、約2カ月ぶり。
 
景気敏感株を中心に幅広い銘柄が買われた。中国メディアの財新と英IHSマークイットが発表した4月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は2カ月ぶりに好不況の分かれ目となる50を下回った。伸び悩む場面もみられたが、米株高を受けた上海株の騰勢は強く、日経平均も高値圏を維持した。
 
東証1部の売買代金も前週に比べると多めで、「欧米で経済活動再開を模索する動きが広がる中、投資意欲が戻った海外勢の資金が日本株にも入っているのだろう」とされる。日本の緊急事態宣言は延長されそうだが、投資家心理の改善を背景にアジア株や米株先物が堅調に推移したことから、前場の日経平均は大幅高のまま終わった。
 
ただ、大型連休前とあって投資家の慎重姿勢は強く、「買い戻しが主流で積極的な買いには至っていない」との声もあった。
 
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)はそろって続伸した。
 
前引けの東証1部の売買代金は概算で1兆3450億円、売買高は7億6897万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1634と、全体の75%を占めた。値下がりは475、変わらずは61銘柄だった。
 


業種別株価指数(33業種)は、海運業、鉄鋼、鉱業、証券・商品先物取引業などが上昇。下落は電気・ガス業、食料品など。
 
個別では、日野自やスズキ、ホンダなど自動車が大きく上昇した。2020年3月期の連結最終赤字の拡大を公表したソフトバンクGが続伸し、ユニチカや日電硝など素材関連の上昇も目立つ。ファーストリテ、リクルートHDは上伸した。三菱UFJが買われ、野村は反発。日本製鉄、国際帝石、商船三井は大きく値を上げた。レーザーテックがにぎわい、ソニー、ファナック、東エレクも高かった。
 
半面、キーエンスがさえず、任天堂は続落。OLCが売られ、武田が軟調で、山パンといった食品などディフェンシブ株の一部が売られ、NTTドコモやKDDIなど通信も下落、関西電も値を下げた。
 
 
東証2部株価指数は前営業日比104.31ポイント高の5675.21ポイントと3日続伸した。
出来高6553万株。値上がり銘柄数は305、値下がり銘柄数は107となった。
 
個別では、ダイトーケミックスがストップ高。本州化学工業、加地テック、FRACTALE、GMOペパボ、キョウデンは値上がり率上位に買われた。
 
一方、西川ゴム工業が年初来安値を更新。セキド、三京化成、アイスタディ、寺岡製作所、川本産業は値下がり率上位に売られた。
 

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