10日午前の日経平均株価は続落した。午前終値は前日比293円19銭安の1万9405円57銭だった。東証株価指数(TOPIX)は17.15ポイント安の1371.82と、ともに続落した。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う景気不安や原油相場の急落を受けて前日の米株式市場でNYダウ工業株30種平均が過去最大となる2000ドルを超す下げとなったのを受け、売りが先行した。心理的な節目の1万9000円を下回り、下げ幅が800円を超える場面があった。
しかし、取引開始後30分程度でろうばい売りを吸収した後は、寄り付き前から伝わっていた「トランプ米大統領が新型コロナウイルスをめぐり、与党共和党と給与税減税について協議し、景気対策を会見する」との報道が再評価される形で、日経平均は30円安まで急速に値を戻した。一時は前日比プラス転換をうかがう場面もあったが、戻し切れず再び売り直された。
混乱が続く金融市場だが、外国為替市場では円が1ドル=103円台半ばまで売られるなど円高が一服。米10年国債利回りは時間外取引で一時0.6%台まで上昇し、米株価指数先物も500ドル超の値上がりとなる場面があり、市場では底入れムードが意識されつつある。
市場関係者は「米政策期待で時間外の米株先物が上昇し、前倒しで織り込みつつある。今晩のNY株の上昇次第で日本株もツレ高する可能性がある。ただ、コロナウイルス感染は収まっておらず、戻ってもまた売られるだろう」との声が聞かれた。
東証1部の出来高は13億3034万株、売買代金は1兆9281億円。騰落銘柄数は値上がり330銘柄、値下がり1806銘柄、変わらず28銘柄。
業種別株価指数(33業種)は鉱業、海運業、繊維製品、石油・石炭製品を中心に全業種が下落した。
個別では、任天堂、ファーストリテイリングが安く、任天堂も売り優勢。国際帝石、出光興産が下押し、郵船、川崎船、東レ、トヨタが売られ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友などメガバンクも値を下げた。日本エアーテックが急落、ニイタカも大きく値を下げた。帝人、幸楽苑ホールディングス、タカキューなども大幅安となった。
半面、ソフトバンクGが小高く、ソニー、東エレク、太陽誘電は堅調で、オリエンタルランドが買い優勢となり、アドバンテスト、資生堂もしっかり。ジーンズメイトが大幅高、オルトプラスも値を飛ばした。
東証2部株価指数は前日比140.86ポイント安の5517.71ポイントと4日続落した。
出来高5910万株。値上がり銘柄数は47、値下がり銘柄数は399となった。
個別では、アゼアス、マナック、東邦金属、ラピーヌ、フォーバルテレコムが一時ストップ安と急落した。JESCOホールディングス、KHC、省電舎ホールディングス、工藤建設、富士古河E&Cなど298銘柄は昨年来安値を更新。タクミナ、ファインシンター、ネポン、天昇電気工業、フジオーゼックスが売られた。
一方、ウェルス・マネジメント、東京會舘、東京ボード工業、カーチスホールディングス、コーア商事ホールディングスが買われた。
