296円高と大幅続伸、米株高で買い先行

18日午前の日経平均株価は続伸した。午前終値は前日比296円80銭高の1万7308円33銭だった。
米政府が総額1兆ドル(約107兆円)の経済対策を検討すると発表し、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う過度の景気不安がやや和らいだ。
相場の急落を受け値ごろ感に着目した買いも支えになった。半面、米株価指数先物が時間外取引で大幅安となっていることなどから上げ幅を20円弱まで縮小する場面があった。その後は前引けにかけて持ち直しの動きとなった。
 
中国が新型コロナの治療に富士フイルムのグループ会社が開発した薬の有効性を確認したと発表したほか、米化学大手幹部が中国市場の需要に楽観的見通しを示したことも伝わり、化学関連銘柄の上昇が目立った。
 
日経平均は2月中旬の2万3000円台後半から直近まで短期間で7000円近い大幅な調整を入れており、目先は突っ込み警戒感からの空売り買い戻しや押し目買いを呼び込む形となった。
 
市場からは「予想外に強い。時間外で米株先物が値を下げ、買いづらい面はあるが、1兆ドルの米財政出動への期待や、日銀のETF(上場投資信託)買い入れ枠倍増、国内年金買い観測など需給も良くなり、買い戻す動きとなっている。むろん、これで売り終了とはみておらず、もう一回下値を見る懸念はあるが、目先はいったん戻る格好になってもいいのではないか」との声が聞かれた。
 
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も続伸した。TOPIXの上昇率は2.67%と日経平均を上回った。市場では「値がさ株のマイナス寄与を差し引いてもTOPIXの強さが目立ち、公的年金の買いが入ったとの期待が高まっている」との見方が多い
 
東証1部の出来高は12億3187万株、売買代金は1兆8668億円。騰落銘柄数は値上がり1478銘柄、値下がり643銘柄、変わらず45銘柄
 



業種別株価指数(33業種)は化学、海運業、保険業、水産・農林業の上昇が目立ち、下落は鉱業、倉庫・運輸関連業、不動産業。

個別では、トヨタ自動車、ソニーが買われ、富士フイルムホールディングスは大商いで一時ストップ高となる人気となった。任天堂、イオン、丸井G、オリエンタルランドも高い。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクもしっかり。花王や資生堂も一段高となった。小田急や東武も高い。ヤーマンはストップ高に買われた。
 
半面、ソフトバンクグループが下落、ファーストリテイリングも安い。日本M&Aセンターが大幅安。スカパーJ、コナミHD、フルキャストホールディングス、SCSKなどの下げも目立つ。ランドビジネスはストップ安。IHIや日揮HDが大幅安。日野自、アドテスト、菱地所、住友不も安い。
 
 
東証2部株価指数は前日比83.46ポイント高の5143.01ポイントと3日続伸した。
出来高4254万株。値上がり銘柄数は351、値下がり銘柄数は70となった。
 
個別では、東洋テックがストップ高。神島化学工業、天昇電気工業は一時ストップ高と値を飛ばした。あかつき本社、ぷらっとホーム、金下建設、扶桑電通、平和紙業が買われた。
 
一方、東京インキ、西川ゴム工業、日本精鉱、フジオーゼックス、梅の花が昨年来安値を更新。伏木海陸運送、太平製作所、フルスピード、日鍛バルブ、上村工業が売られた。
 

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