30日のNYダウ工業株30種平均は反発した。前週末比690ドル70セント高の2万2327ドル48セントで終えた。
米国では先週、個人への現金給付や打撃を受けた企業への支援策を盛り込んだ経済対策が成立した。先週末は下落したものの、先週一週間の上昇幅は2000ドルを超えた。30日も対策への期待が広がり、買いが先行した。
新型コロナウイルスのワクチン開発への期待も高まり、買いを後押しした。月末とあって、今月の急落で低下した株の構成比を元に戻すリバランス(資産構成の再調整)の買いも入りやすかった。
世界保健機関(WHO)は30日、「初期研究によると、いくつかのワクチンは新型コロナに効果があるかもしれない」と指摘した。9月までにワクチンの臨床試験を開始すると発表した医薬・日用品大手のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が8%上昇し、ダウ平均を押し上げた。
「今月に入って相場が大幅安となり、売られすぎとみた短期投資家から買いが入った」との指摘もあった。3月に入って下げが目立っていた石油のシェブロンや金融のJPモルガン・チェースなどの上げが目立った。
大型ハイテク株が軒並み大幅高となった。新型コロナの逆風が吹き荒れる中でも、競争力の高さから相対的に底堅い業績を維持するとみた買いが入った。マイクロソフトは在宅勤務が増えた影響でクラウドサービスの利用が急増したと前週末に明らかにし、7%高。フェイスブックは6%高。半導体のエヌビディアやインテルも5%を超える上げとなった。
一方、市場心理を測る指標となる米株の変動性指数(VIX)は50台後半で、なお高水準にある。また、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計では、米国の感染者数は先週末以降に急増し、15万人を超えた。トランプ米大統領は、外出などの行動自粛要請を4月末まで延長する方針を表明。経済活動縮小の長期化による景気悪化への懸念が根強い。
セクター別では医薬品・バイオテク、ソフトウェア・サービスが大幅上昇となった一方で、自動車・自動車部品が下落した。
ナスダック総合株価指数は前週末比271.77ポイント(3.6%)高の7774.15で終えた。
NYダウ工業株30種(ドル)
22,327.48+690.70
S&P500種
2,626.65+85.18
ナスダック
7,774.151+271.773
NY金(ドル/トロイオンス)
1,643.20-10.90
NY原油(ドル/バレル)
20.25+0.16
円・ドル
107.81 – 107.82-0.17
【シカゴ日本株先物概況】
30日のシカゴ日経平均先物は反発した。
6月物は前日比500円高の1万9060円で引け、30日の大取終値を260円上回った。
新型コロナウイルスに対応する米国の大規模な経済政策やワクチン開発への期待が広がり、米株とともに買われた。
この日の6月物高値は1万9095円、安値は1万8170円。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
19060 ( +260 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
19335 ( +535 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 5563.74(+53.41)
30日のFTSE100種総合株価指数は米株高を眺めて投資家の間に安心感が広がり反発した。前週末の終値に比べ53.41ポイント(1.0%)高の5563.74で引けた。
大型の景気刺激策が早期に実施されるとの期待から30日の米株式相場が堅調に推移し、買いが英国株にも波及した。午前中は、新型コロナウイルスの感染拡大や、米政権による国民の行動制限の期限延長を嫌気した売りが出て、英国の株価指数は前週末の終値を3%近く下回る場面があった。
個別銘柄では、石油大手のBPや英豪資源大手リオ・ティントなどの資源株に、目先の自律反発を狙った買いが入った。水道サービス会社ユナイテッド・ユーティリティーズ・グループは5.5%高、ロンドン証券取引所グループは5.4%高、英投資信託スコティッシュ・モーゲージ・インベストメント・トラストは5.2%高だった。
一方、英投資会社メルローズ・インダストリーズは17.6%の大幅安。航空・防衛システムのメギットや航空エンジンのロールス・ロイスなど航空関連株は売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 9815.97(+183.45)
30日のフランクフルト株式市場で、ドイツ株式指数(DAX)は反発した。終値は前週末と比べて183.45ポイント(2.0%)高の9815.97だった。大型の景気刺激策が早期に実施されるとの期待から30日の米株式相場が上昇し、ドイツ株も連れ高した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4378.51(+27.02)
