30日午前の日経平均株価は反落した。午前終値は前日比365円80銭安の2万3013円60銭だった。
前日のNYダウが続伸したものの終盤失速する引け味の悪さが東京株式市場にも地合いを引き継ぎした。
中国で発生した新型肺炎の感染拡大に対する警戒感がくすぶるなか、本格化する企業の決算発表を横目に買い手控えムードが強い。外国為替市場でも円高に振れ主力株中心に向かい風となった。
また、業績の底入れ観測が高まっていた半導体関連企業のスクリンが29日の決算発表で業績予想を下方修正。新型肺炎を受けた景気の先行きに対する警戒感の一層の高まりに加え企業業績への不透明感も再燃し、「日経平均は当面、上値の重い展開を強いられる」との声が上がっていた。
JPX日経インデックス400、東証株価指数(TOPIX)も下落した。
東証1部の売買代金は概算で1兆463億円、売買高は5億8361万株だった。
東証1部の値下がり銘柄数は全体の約9割に当たる1904、値上がりは197、変わらずは54だった。
業種別株価指数(33業種)はガラス・土石製品、精密機器、電気機器などを中心に全業種が下落した。
個別では、ファストリやソフトバンクグループ(SBG)、ソニー、アドバンテストが安く、任天堂も軟調。東エレクやTDK、資生堂、武田薬品工業なども下げた。SCREENホールディングスはストップ安に売り込まれた。gumi、コムチュアなども大幅下落、レーザーテックも売られた。
半面、ファナックが堅調、オムロンも買い優勢だった。サイバーエージェントが活況高。このほか、日本エアーテックがストップ高、シキボウは大幅高となるなど新型肺炎の対策関連株に値を飛ばすものが目立つ。
個別では、エヌ・ティ・ティ・データ・イントラマートがストップ安。日創プロニティ、児玉化学工業、ワシントンホテル、中国工業、小島鉄工所など10銘柄は昨年来安値を更新。恵和、光陽社、ダイトーケミックス、ファーマフーズ、鶴弥が売られた。
一方、オーミケンシ、アゼアス、マナックがストップ高。東京自働機械製作所は一時ストップ高と値を飛ばした。いい生活、日本アビオニクス、東急レクリエーションなど7銘柄は昨年来高値を更新。川口化学工業、オーベクス、伊勢化学工業、マミヤ・オーピー、フマキラーが買われた。
