反落、上海株再開後は下げ渋る

3日午前の日経平均株価は反落し、前週末比223円19銭安の2万2981円99銭で前場を終えた。
日経平均株価は大幅安で始まった後、取引開始直後には下げ幅を前営業日比400円超に広げた。新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大で世界景気が減速するとの懸念から、前週末のNYダウ工業株30種平均が600ドル超の下落となった。
外国為替市場では1ドル=108円台前半まで円高が進み、東京株式市場もリスク回避ムードに支配される形で始まった。
 
ただ、春節(旧正月)休暇明けの中国・上海総合指数が急落しているものの底堅さがみられることを受けた押し目買いが優勢になり、次第に下げ渋った。
 
新型肺炎の患者数の拡大に歯止めがかからず、中国で生産活動が停滞するなか、世界経済の下押しを懸念する雰囲気は強い。一方、上海株の急落は想定内との見方もあり、国内の機関投資家などが押し目買いを入れたとの観測が出ていた。
 
また、春節休暇中に日経平均先物に損失回避(ヘッジ)のための売りを出していた中国株を保有する機関投資家が、上海市場の取引再開を受けて日経平均先物にヘッジを外す目的で買い戻しを入れたとの声も聞かれた。中国人民銀行(中央銀行)が3日に公開市場操作(オペ)を通じて金融市場に1兆2000億元(約18兆7000億円)を供給すると発表したことも、投資家心理の悪化に一定の歯止めをかけたとみられる。
 
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も反落した。
 
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆3184億円、売買高は7億2133万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1640と、全体の75.9%を占めた。値上がりは451、変わらずは68銘柄だった。
 


 
業種別株価指数(33業種)は海運業、証券・商品先物取引業、空運業などが下落し、上昇は電気・ガス業、食料品、不動産業など。
 
個別では、ファーストリテイリングや京セラが大きく値を下げたほか、任天堂も軟調。マツダ、日立も下落した。東京エレクトロンが売られ、アドバンテストなど半導体株が下落したほか、日本エアーテック、ニイタカ、シキボウなど新型コロナウイルス関連株は利食われ軒並み大幅安。インバウンド消費の減少への警戒感から資生堂や三越伊勢丹の下げが目立った。
 
半面、味の素が大幅高。富士通は昨年来高値を更新した。日立ハイテクノロジーズも買いが優勢。関西電や中部電、小野薬も買われた。中外製薬なども上昇した。正興電機製作所、丸山製作所が値を飛ばしている。
 
 
東証2部株価指数は前週末比44.48ポイント安の7033.98ポイントと反落した。
出来高5048万株。値上がり銘柄数は82、値下がり銘柄数は351となった。
 
個別では、新内外綿、川本産業、マナックが一時ストップ安と急落した。南海辰村建設、Oak キャピタル、日創プロニティ、児玉化学工業、ワシントンホテルなど21銘柄は昨年来安値を更新。アゼアス、日本アビオニクス、オーミケンシ、ビケンテクノ、アイケイが売られた。
 
一方、スガイ化学工業、日本ハウズイング、昭和化学工業が一時ストップ高と値を飛ばした。川本産業、瑞光、東京自働機械製作所など5銘柄は昨年来高値を更新。ファーマフーズ、スーパーバッグ、都築電気、インスペック、アジア航測が買われた。

 

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