3日のNYダウ工業株30種平均は前週末比143ドル78セント高の2万8399ドル81セントと反発しで終えた。
新型肺炎の感染拡大への懸念から前週末に大きく下げた反動で、幅広い銘柄に自律反発狙いの買いが入った。製造業関連の指標の改善も好感された。ただ、肺炎拡大への警戒感は根強く、午後にかけて上げ幅を縮めた。
中国人民銀行(中央銀行)が3日、金融市場に資金を供給し、中国経済への過度な懸念が和らいだことも買いを促した。春節(旧正月)の連休明けで3日に再開した上海株式相場は8%近く下げたが、米市場では想定内と受け止められた。
米サプライ管理協会(ISM)が3日発表した1月の米製造業景況指数は50.9と、昨年12月(47.8=改定値=)から上昇し、市場予想の48.5を大きく上回った。
好不況の分かれ目となる50を6カ月ぶりに上回ったことが好感され、ダウ平均は一時約374ドル高となった。ダウは前週末に603ドル安で引けたため、値頃感が出ていたことも買いを誘った。
午後にかけて新型肺炎のまん延を警戒した売りで上げ幅を縮小した。米疾病対策センター(CDC)は3日、前週のイリノイ州に続いて、カリフォルニア州でも人から人への感染が確認されたと公表した。肺炎が米景気に与える影響を慎重に見極めたいという投資家は多かった。
市場関係者は「新型肺炎による経済への影響が読めないほか、米企業決算の発表も中国経済の影響を受けやすい業界に移るため、上値追いはしにくい状況になる」と分析した。
セクター別では、素材やメディアが上昇する一方で、電気通信サービスやエネルギーが軟調。
個別では、アナリストが最近の株価下落を「買いの好機」と指摘したスポーツ用品のナイキが3%上昇。ソフトウエアのマイクロソフトや製薬のメルクも上げた。一方、原油安を背景にエクソンモービルなど石油関連株の下げが目立った。
ナスダック総合株価指数は同122.466ポイント高の9273.402で終えた。電気自動車(EV)のテスラが急伸し、アルファベットやフェイスブックが上昇した。
NYダウ工業株30種(ドル)
28,399.81+143.78
S&P500種
3,248.92+23.40
ナスダック
9,273.402+122.466
NY金(ドル/トロイオンス)
1,587.90-1.303
NY原油(ドル/バレル)
49.87-1.69
円・ドル
108.68 – 108.69+0.06
【シカゴ日本株先物概況】
3日のシカゴ日経平均先物は反発した。
米製造業指標の改善を受け投資家心理が上向き米株とともに買われた。米サプライマネジメント協会(ISM)が3日発表した1月の米製造業景況感指数が、半年ぶりに好不況の境目の50を超えた。
ただ、新型肺炎が、上値は限られた。新型肺炎のまん延を警戒、世界景気に与える影響への懸念は根強く上げ幅を縮小した。
3月物は前週末比150円高の2万2860円で引け、3日の大取終値を30円下回った。
この日の3月物高値は2万3015円、安値は2万2625円。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
22860 ( -30 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
22875 ( -15 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7326.31(+40.30)
3日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反発した。前週末の終値に比べ40.30ポイント高の7326.31で引けた。構成銘柄の約8割が上昇した。午後に取引が始まった米国株が上昇すると英国株も上げ幅を広げる場面があった。
前週には新型肺炎の患者が英国でも初めて確認されるなど感染拡大に対する警戒感が強まり約1カ月半ぶりの安値をつけた。3日のロンドン市場はその反動で買い戻された。ポンド相場の下落を受けて通貨安による業績への好影響が期待される酒類のディアジオや医薬品など多国籍企業銘柄が買われ、株価指数を押し上げた。
個別銘柄では、英格安航空大手イージージェットが3.8%高。英中古車販売サイトのオートトレーダー・グループは3.1%高、英投資信託スコティッシュ・モーゲージ・インベストメント・トラストは2.9%高、英酒造大手ディアジオは2.9%高、セメント大手CRHと英産業用ソフトウエアのアベバグループは各2.3%高だった。
一方、昨年末から断続的に急落の場面が見られる総合ヘルスケアのNMCヘルスは3日も約20%下がった。ロシアの金銀生産大手のポリメタル・インターナショナルの下げも目立った。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13045.19(+63.22)
3日のドイツ株式指数(DAX)は3営業日ぶりに反発した。終値は前週末と比べて63.22ポイント高の13045.19だった。欧州各国の株式相場は前週末に大幅下落した後の反動で、3日は買い戻された。
個別では、アナリストが株価目標を引き上げたIT(情報技術)のSAPが買われた。航空のルフトハンザも高くなった。ドイツ銀行と素材メーカーのコベストロは売られた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5832.51(+26.17)
