4日午前の日経平均株価は小幅反発し、前日比23円07銭高の2万2995円01銭で前場を終えた。
前場の寄り付きは売り優勢でスタートしたものの、前場後半は戻り足をみせ、前引けはプラス圏で着地した。中国で発生した新型肺炎の感染拡大に対する警戒感はくすぶるものの、目先値ごろ感からの押し目買いが入り全体相場を支えた。
中国・上海や香港などアジア株相場が総じて堅調な動きとなったことが投資家の安心感を誘い、日本株の下値を支えた。新型肺炎の感染拡大が経済を下押しするとの警戒感は引き続き重荷で、朝方を中心に軟調に推移する場面も目立った。
香港ハンセン指数の上昇を機に前日に急落した上海総合指数が持ち直すと、日本株にも先物を通じた買いが一時やや増えた。
ただ、新型肺炎の感染者が増加するなか、国内企業の生産活動やサプライチェーンへの影響が徐々に表面化するとの警戒感は強い。
市場では「足元の上昇は短期的な買い戻しにすぎない」と冷静な声が出ていた。先物の買いが一服すると、日経平均は再び伸び悩んだ。
日本時間4日、米大統領選の民主党候補指名争いで初戦となるアイオワ州党員集会で左派のサンダース上院議員と中道派のバイデン前副大統領が競り合っている。大勢判明は日本時間4日午後の見通しで、富裕層などに厳しい姿勢を見せるサンダース氏が優位に立てば「短期的には売り材料」との見方が出ている。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は反発した。前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆451億円、売買高は5億8653万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1414、値下がりは631、変わらずは111銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)はパルプ・紙、その他金融業、電気・ガス業などが上昇、下落は水産・農林業、鉱業、海運業など。
個別では、村田製作所が高く、東京エレクトロンも買い優勢。太陽誘電、富士通、パナソニックなども物色人気。資生堂も堅調。中外薬、第一三共が買われた。イー・ガーディアンが値上がり率トップに買われたほか、岩崎電気、山一電機なども値を飛ばした。アイティメディアも大きく上値を伸ばした。
半面、キーエンスが売りに押され、テルモや塩野義、ファナック、KDDI、スズキが安い。いであがストップ安、ニイタカ、丸山製作所などの下げも目立つ。マルハニチロ、JMSなども大幅安となっている。
東証2部株価指数は前日比28.38ポイント高の7070.04ポイントと反発した。
出来高4603万株。値上がり銘柄数は277、値下がり銘柄数は121となった。
個別では、ファーマフーズ、NCS&Aがストップ高。スガイ化学工業、JFEシステムズ、櫻護謨、瑞光、川澄化学工業など10銘柄は昨年来高値を更新。ウインテスト、JEUGIA、東海ソフト、リスクモンスター、アジア航測が買われた。
一方、アゼアス、スガイ化学工業、マナックがストップ安。小島鉄工所、三精テクノロジーズは昨年来安値を更新。日本アビオニクス、アイケイ、オーミケンシ、フマキラー、ベースが売られた。
