小反落、利益確定売りで

7日午前の日経平均株価は小反落した。前日比18円22銭安の2万3855円37銭で前場を終えた。前日までの3営業日で900円あまり上昇したことで、短期的な過熱感が意識された。利益確定目的の売りが優勢となり、下げ幅は一時100円を超えたものの、押し目買いも入り下げ渋った。
 
前日の米株式市場でNYダウが3週間ぶりに最高値を更新したことを受け、東京株式市場も寄り付きは買い先行となり日経平均株価は一時、70円強上昇した。ただ、高値警戒感も強く買い一巡後は軟化し、午前9時40分過ぎにはマイナスに転じた。前日急伸の反動で利益確定売りが膨らんだ。
 
この日はソフトバンクGが米国の「物言う投資家」による大量取得を手掛かりに朝から買い注文を集め、1銘柄で一時70円前後日経平均を押し上げており、「この分を除くと、朝から日経平均はほとんどマイナス圏」という状況だった。
 
新型肺炎の感染拡大の懸念も引き続き相場の重荷となったが、下値は限られた。横浜沖で検疫を受けているクルーズ船での感染者数を巡り、「ヘッドライン(ニュースの見出し)に反応して売買するアルゴリズムを駆使した投資家が株価指数先物に売りを出したが、直近の相場上昇に乗り遅れた投資家がすかさず押し目買いに動いた」との指摘があった。
 
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆1944億円、売買高は6億2746万株だった。JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も反落した。
 
東証1部の値下がり銘柄数は1359と、全体の6割超を占めた。値上がりは702、変わらずは97銘柄だった。
 


業種別株価指数(33業種)は、パルプ・紙、その他製品、繊維製品、空運業などが下落。情報・通信業、医薬品などは上昇。

個別銘柄では、任天堂やトヨタ自動車、ホンダが安く、村田製作所も値を下げている。テルモや富士フイルムホールディングスが売られた。コマツ、日立建機が安く、任天堂、JTが下落した。
 
半面、米有力アクティビストによる株式取得の報道を受けソフトバンクグループが急伸。日本電産や信越化学工業が高い。スクリンやSUBARUが上昇した。新型コロナウイルスの検査試薬を大幅増産すると報じられたタカラバイオが急騰。今3月期業績の増額修正を発表したオリンパスも急伸している。
 
 
東証2部株価指数は前日比6.91ポイント安の7255.02ポイントと4日ぶり反落した。
出来高5353万株。値上がり銘柄数は171、値下がり銘柄数は224となった。
 
個別では東京ボード工業が昨年来安値を更新。高田工業所、FRACTALE、JMACS、ショクブン、平和紙業が売られた。
 
一方、いい生活、櫻護謨、ニッキ、東亜バルブエンジニアリング、インスペックなど10銘柄が昨年来高値を更新。アゼアス、川本産業、新内外綿、ロンシール工業、マナックが買われた。

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